住友林業(東京都千代田区)と神戸大学(兵庫県神戸市)は、都市の温暖化に適応した緑化を推進することを目的に、国内の緑化樹木9種について高温環境下での生理的反応を検証した。
試験に用いた9種(タブノキ・シラカシ・ヤマモモ・シマトネリコ・ネズミモチ・ケヤキ・モミジバフウ・ハナミズキ・トウネズミモチ)の樹木の中でヤマモモとシラカシの光合成能力は高温でも低下せず、また加温で育成することにより光合成能力はさらに上昇したという。高温への耐性が高いとともに高温環境に順応したといえる。一方で、生息域が暖温帯から亜熱帯であるタブノキは加温で育成しても、高温環境へは順応しなかった。これらの結果から、持続可能で美しい都市緑化を実現するためには、生息域にとらわれず樹種ごとの高温耐性と順応性のスクリーニングを行うことが重要だとしている。
研究結果は国際科学雑誌「TREES」に掲載されている。
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