家に居ながら、外の空気を満喫するホームキャンプやベランダキャンプなど、いわゆる“野遊び”を楽しめる家づくりがスタンダードになっていく――。
アウトドア製品メーカーのスノーピーク(新潟県三条市)営業本部の王治菜穂子さんは、そんな見方を示す。コロナ禍によって増えた“おうち時間”を豊かに過ごすため、住環境を見直そうという機運が高まりつつある。同社は全国の地域工務店と連携し、アウトドア的な要素を取り入れた暮らしを、家づくりのポイントを踏まえながら提案している。
王治さんはコロナ禍のなかで、庭やバルコニー、土間などを活用しながら、家でも自然とのつながりを感じられる暮らし方のニーズが高まっていると指摘する。「家で過ごす時間が増えたことで、家に求める理想像にも変化が出てきた」とし、「これまで重視されてきたデザインや性能といったハード的な判断基準に加え、今後は『思い描く暮らし方はできるのか』といったソフト面の基準が、より重要になってくる」と見る。
スノーピークは、提携する地域の工務店の社屋や敷地内に同社製品の専売店を設けるショップインショップ(SIS)を全国に18カ所展開。王治さんによると、SISでは製品を販売するだけでなく、庭でのコーヒーのドリップ体験会やキャンプのノウハウを学べるワークショップを企画するなど、アウトドア要素を取り入れた暮らし方の提案に力を入れはじめているという。
そんな中、北海道札幌市のジョンソンホームズは、同社製品の使い方などに関する専門講習を受けて「スノーピークマイスター」に認定されたスタッフが監修した規格住宅「URBAN Outdoor HOUSE(アーバン・アウトドア・ハウス)」をこのほどリリースした。庭とゆるやかにつながる空間を意識した設計が特徴的だ。
リビング・ダイニングは日当たりを重視した大開口で、土間とデッキスペースを大きく配置したプランとなっている。庭にはシンボルツリーを植樹し、緑と共存する住環境をつくる。そのほか、アウトドア用品を保管するスペースを設けたり、庭でバーベキューや食事をする際に必要となるコンセントや水道などを庭に近い動線上に配置するといった工夫が施されている。
自然豊かな福島県猪苗代町に本社を置くRoots工務店は、社屋に隣接する森に家づくりの顧客らも対象とするプレーパークを設け、スノーピーク製のキャンプ用品などを活用しながら「アウトドアライフ」の魅力を伝えている。…
【残り1135字、写真5枚】
続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/工務店がつくる心地いい庭 遊べる庭』(2020年10月30日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。