YKK AP(東京都千代田区)はこのほど、神戸市で住宅性能設計業を手掛けるフォワードハウジングソリューションズ(神戸市)と共働し、中古戸建て住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクト物件「神戸 垂水の家」が神戸市垂水区にて完成したと発表した。
同プロジェクトは、全国のリノベーション事業者と連携して「断熱」「耐震」を軸としたリノベーションを施し、住まいの価値が「窓・開口部」でかえられるかを実証するもの。2017年度以降16物件を展開し、今回で17物件目となる。
築50年の同物件は、テレワークに最適な空間やリラックスできるエクステリア空間など、新しい生活様式によって変化する暮らしのニーズに対応。建物と外構を一体に捉えたリノベーションで、庭の敷地面積を最大限活用したアウトドアリビング空間を設置し、新たな価値を創出している。
同物件では、同社の高性能樹脂窓と高断熱玄関ドアに交換したことで、断熱性能を改修前の約6倍に向上。HEAT20 G2相当の居住空間により、ヒートショックリスクの軽減と年間冷暖房費の約6割削減を可能にする高い省エネ性能を実現した。また、同社の開口部耐震商品「FRAME Ⅱ」を採用し、窓を減らさず開口部の耐力壁量を増やしたことで、耐震等級3相当の強度まで高めている。阪神・淡路大震災の被害を受け、地震への備えに対する意識が高い同地区において、一般的な新築住宅の性能を上回る高断熱・高耐震で安全・安心を提供する。
同物件は、2020年度の次世代省エネ建材支援事業における「次世代リフォーム実証事業」の対象として採択されている。今後は、両社のコンセプトモデルとして事業者向けに公開。「性能向上リノベーション」のノウハウ提供や、空き家などのストック市場の流通活性化に繋がるモデル物件として地域への情報発信に活用していく。
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