ウィズコロナのなかで、自宅の庭に癒しを求める生活者の声に工務店はどのように応えていくべきか。建築家や地域の工務店とコラボしながら全国各地で美しく心地いい庭づくりに取り組む造園家で荻野寿也景観設計代表の荻野寿也さんにポイントを聞いた。
ゲスト講師として参加させてもらっている建築家の伊礼智さんによる「住宅デザイン学校」の縁などもあり、受講している工務店や設計事務所から造園の相談を受け、全国各地で仕事をさせてもらっている。庭の重要性に気づき、庭を重視した家づくりにシフトする工務店や設計事務所は、小さい会社でも受注が絶えず、実績を伸ばしていると感じる。
これから本格的に庭づくりに取り組む工務店に最初の一歩としてお勧めするのは、自社でモデル的に庭をつくってみること。モデルハウスや社長の自宅、事務所の庭でもよい。どれぐらいの工期とコストがかかるか、窓辺からの緑、生活動線が屋外まで広がる暮らしはどれだけ豊かで心地よいか、日々の手入れはどれぐらい苦労があり、同時にその醍醐味があるかといったことを一通り体感できる。木々や草花の匂い、このスペースでは本を読んだり昼寝をし、あそこではバーベキューを楽しむといった庭がもたらす暮らしの豊かさを顧客に実感を持って語れることは、何よりも説得力があり顧客の心を動かす。庭を重視して成功した工務店は、社長自ら自宅に庭をつくり、確信を持って家づくりに庭を取り入れている。
経験をもとにアドバイス
自らの体験により、どこにどれだけの予算をかけるのが一番満足度が高いかも分かる。建築家の横内敏人さんは「建築にかける10万円はどこに使ったかわからないが、庭の10万円は高さ5mの枝ぶりの美しい木に使ったと明確に分かる」と話している。…
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続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/工務店がつくる心地いい庭 遊べる庭』(2020年10月30日発行)に掲載しています。
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