メガソーラー、大規模風力発電問題に取り組む「全国再エネ問題連絡会」は7月18日、当会結成のためのオンライン会議を開き、北海道から九州までの26都道府県の約30団体と個人の計65人が出席した。
メガソーラーとは1000kW以上の出力を持つ、大規模な太陽光発電施設のことを指す。「環境に優しい」とされていた再生可能エネルギーだが、メガソーラーを開発するにあたり、大規模な森林開発をして数万枚もの太陽光パネルを並べるため、大量の森林伐採が伴うことから、逆に環境、景観破壊が指摘されている。このため、自治体は環境や景観の保全と再生可能エネルギー推進のバランスをどのように調整していくのか、対応に苦慮している。
また、今月、静岡県熱海市の伊豆山地区で起きた土石流災害で起点付近に大規模な太陽光パネルが設置されていることから、開発で保水力が落ち、崩落につながったとの見方が、一部で指摘された。小泉進次郎環境相は7月6日、山林開発などで災害を招く恐れのある太陽光発電所の立地規制を検討する考えを示した。
大規模風力発電においては環境破壊の問題に加え、鳥類の保護のために計画の変更や縮小を迫られるケースが増えている。
今回の会議では、尾根を削る風力発電や大面積の森林伐採を伴うメガソーラーなどの森林破壊がいかに危険なものであるか指摘され、利益を優先した事業者が住民の声を無視して事業を進めており、都道府県や市町村がそれを容認している実態などが報告された。このまま進めていくことは次世代に大きな禍根を残すと考える連絡会はより多くの団体に参加を呼び掛け、制度改正を求める大きな流れを作っていくことを目指す。
また、土木技術、電気技術また法律家などの専門家にも助言を求め、森林法、FIT法、環境影響評価法などの関係法令について、具体的な提言を行っていく予定。さらにシンポジウムや署名活動などを行う意向を示した。
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