M&A総合研究所(東京都千代田区)はこのほど、事業承継・譲渡や企業買収の相談に関するデータを集計した「2021年5月M&A意向調査レポート」を発表した。
同レポートによると、2021年5月の事業承継・譲渡に関する相談数は39件と、前年同水準で推移。「サービス業」の企業からの問い合わせが、全体の64.1%を占めた。店舗が乱立し、競争が激しい歯科クリニックなどからの相談が増えているといい、専門性の高いサービス業の企業間の競争激化や人材不足を要因とした譲渡ニーズが高まっているとする。2020年5月には約3割を占めていた「卸売・小売・飲食業」の企業からの相談の割合は半分にまで減少。2020年に一時的に増加した譲渡需要が一旦の落ち着きを見せている。一方、飲食業をはじめとする店舗型のビジネスを展開する企業からの相談は今後の国内動向の変化によって再び増加する可能性も高いと分析する。「建設業」の企業からの相談は10.2%だった(下グラフ)。
2021年5月の買収に関する相談は、2020年5月と比較すると1.8倍に増加。相談全体の約7割を占めており、新型コロナの影響で一時落ち込んだ経営層の買収への意欲が、再び高まっていることが伺える。買収に関する相談が最も多かった業種は「サービス業」(52.4%)で、「卸売・小売・飲食業」(14.6%)、「製造業」(9.7%)と続いた。「建設業」は6.1%と、2020年5月の11.1%から減少した。
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