災害時には、自治体担当者や報道機関も、二次被害の危険から被災地に直接アクセスすることは難しく、現場の状況が具体的にどうなっているのかを確認するために、SNSはいまや欠かせない情報源だと言うことができると思います。
一方で、土石流の発生には前兆現象があることが知られています。土石流が発生する前のタイミング、7月3日の朝や前日に、何か前兆をとらえたSNS投稿があったかについて調査しましたが、特に見つけることができませんでした。土石流の前兆を捉えるというアプローチを実行するには、SNSを通じた覚知以外の方策が必要であると言えるでしょう。
SNSの可能性と限界が同時に見えるわけですが、近年の技術の進化によって、災害を捉える方法はSNSを含んでどんどん多様化しています。その代表的なものはドローンでしょう。暴風雨などひどい天候下では運用が難しいですが、人や車が入っていくことが難しい地域であっても、被災地域を上から撮影することで、どこにどのような被害があるのか、どこが崩落の起点となったのかを迅速に把握することができるのは大きな利点で、今回も活躍したことが分かります。
テレビ朝日取材班が撮影した土石流の爪痕
静岡県が撮影、公開した土石流の起点付近の映像
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本記事は、リスク対策.comの記事(2021年7月5日掲載)を転載したものです
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