JBN・全国工務店協会(会長=大野年司・大野建設社長)はこのほど、同会内に設置している組織「女性活躍の会 きづき」の事例報告会を都内会場とオンライン中継の併用で開いた。全国から設計や営業、総務、経理などの幅広い職種から122人が参加。同組織は建築業界で女性ならではの感性や視点を生かした活躍の場を広げようと設置したもので、今年で3年目。同会常務理事を務める、環建築工房(東京都千代田区)代表の玉置敏子さんは冒頭の挨拶で「発足以来、地域の(仲間の)あらゆる情報を共有し合う中で、工務店業界で女性の力が必要だとあらためて確信した。今後業界のためにも全員の力を結集して女性の会を存続したい」と話した。
同日は、「女性活躍の会 きづき」が独自に認定する資格「JBN暮らしのパーソナルアシスタント」の研修内容の紹介や活用事例について報告があった。同資格は整理収納やインテリアの知識、介護リフォーム、造作家具の提案など計8項目の実務について学ぶもので、規定の研修に参加すると認定される。たとえば、これまで主要メーカー4社の展示場に足を運び、商品を比較検討するフィールドワークや、住宅が映える写真の撮り方講座など、幅広い研修が実施されている。
同日、同資格の認定授与式が行われ、地場工務店(山梨県笛吹市)の地場亜紀子さんは「建築業界は男性社会であるが、その中でも女性が生き生きと活躍するためには、あらゆる知識を身につけて学ぶ姿勢は大切だと思う。研修で実践的な知識を身に着け実務に生かせるだけでなく、名刺に書ける資格として顧客と会話するきっかけの一つにもなる」と述べた。
そのほか、現在研修中の会員工務店の女性参加者からは「女性が少ない工務店業界で横のつながり作ることができた」「会社の垣根を超えて学びを深める場になった」などといった感想が出た。同日は会員工務店の男性経営者や幹部らも参加。綾野工務店(岡山県倉敷市)の綾野義高さんは「女性だけでなく、男性従業員にもぜひ学んでほしい研修内容だ」と評価した。
■銀座クラブのママから学ぶ
同日は座談会も開かれ、常務理事の玉置敏子さんとワンズプラス(長野県茅野市)の熊谷一子さん、Vent計画設計室(山梨県甲府市)社長の遠藤千春さんが登壇した。ゲストには、会員制高級クラブ「銀座 ルリアン」代表の大野華世さんが登場した。大野さんは、地域工務店とクラブは、顧客と対話の中から話を引き出す点などに共通点があるとした上で「基本的な所作であるが、年を重ねても笑顔や素直さは忘れずに働くことが大切です」と伝えた。
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