欧州におけるIoT照明のシステム市場規模が、2026年までに倍以上に増加する見込みだ。アメリカの調査会社・Arizton Advisory & Intelligence(イリノイ州シカゴ)が、現地時間6月24日に発表したレポートで明らかにした。
Arizton社によると、2020年に30億米ドルと評価された欧州のIoT照明のシステム市場は、2021年から18%の年平均成長率で拡大し、2026年には約80億米ドルに達すると予想する。なかでもワイヤレステクノロジーセグメントの成長は著しく、16%以上で増加し、今後の欧州における照明制御システム市場をリードしていくと考えられている。
こうした市場の急成長を支えるのは、急速な都市化と、快適でスマートなライフスタイルへの需要の高まりだ。近年のIoTに関する最新トレンドは、欧州の市場を完全に変革し、エンドユーザーに多大な価値をもたらしている。
欧州の同市場の成長を推進する重要な要因として、競争力のあるメーカーの存在が挙げられる。市場のほとんどのメーカーが、買収や提携、統合を基本戦略として採用し、優れた技術開発や財政的資源を確保することで、革新的な製品の継続的な開発に成功している。
同レポートでは、市場におけるキープレイヤーとして、ルグラン(フランス・リモージュ)、イートン(アイルランド・ダブリン)、オスラム(ドイツ・ミュンヘン)、ハッベル(アメリカ・コネチカット州シェルトン)、シグニファイ(オランダ・アイントホーフェン)、ルートロン(アメリカ・ペンシルベニア州クーパーズバーグ)、ヘルバー(フィンランド・カルッキラ)が挙げられている。これら業界をリードするベンダーには、成長著しい市場を維持するため、高機能な製品を開発しアップグレードし続けることが期待される。
そのほか、Arizton社がレポート内で分析したポイントは次の通り
・市場は92%のシェアを持つインドアセグメントが中心。2026年までに、インドアセグメントは17%以上成長していくと予測
・設置の観点から新規導入と改修に分けたとき、新規導入の市場が75%以上のシェアを占め、中心となっている
・市場の成長を抑制する要因のひとつは、初期導入のコストの高さと、エンドユーザーのエネルギー効率に対する意識の低さ
・LEDライトの市場シェアは、今後数年間で、欧州における光産業全体の70%以上を占めるようになる
・新型コロナウイルスの感染拡大により、電気部品の入手が困難に。照明の筐体やチップを製造するための原材料の不足も、照明業界の需給に影響を与えている
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