「新築注文で予算が確保できる人だけが、高性能住宅に住めるという世間一般の常識を覆したい」
鷲見製材(岐阜市)とその子会社で、リノベーションやリフォーム、不動産事業などを展開するWOODYYLIFE(ウッディライフ、同市)の両社代表を務める石橋常行さんは、こう話す。
ウッディライフはこのほど、同県出身の若手建築家で武川建築設計事務所(東京都新宿区)代表の武川正秀さんとコラボし、同市鏡島にある築40年の木造2階建て住宅をリノベしたモデルハウスを新設した。
HEAT20・G2レベルを超える性能で、「オール岐阜県」をコンセプトに構造材や造作材にとどまらず、内装材なども地域の職人が手づくりしたものにこだわった。2000万円オーバーの価格帯で幅広い顧客層に提供する。性能や意匠、素材など全てに優れる地域工務店ならではの高品質リノベ市場を、地域に創造したい考えだ。
新建ハウジング最新6月30日号の1~3面で、設計や性能のポイント、気鋭の若手建築家・武川正秀さん(武川建築設計事務所)とコラボした背景、その狙いについて詳報している。
11面では、在独森林コンサルタントの池田憲昭さん(Arch Joint Vision代表)の2回目の連載で、ドイツの「ウッドショック」についてレポートしている。池田さんによると、ドイツではKVH材や集成材、複層パネル材などが8週間待ち、仕入れ価格も以前、1m2当たり350ユーロだったものが650ユーロに高騰するなど、深刻な事態に陥っているという。現地の工務店ではウッドショックの影響を受けている地域工務店と、そうでないところの二極化が進んでいるようだ。一体どんな状況なのか、現地から分析してもらった。【栁原潤】
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