YKK AP(東京都千代田区)はこのほど、2020年5月、9月、2021年1月の計3回、延べ1万5000人(各5000人)を対象に「コロナ禍における生活者の換気に関する意識調査」を実施した。
その結果、半数以上が「コロナ前と比べて換気に対する意識が高まった」と回答。春:60.0%、夏:58.1%、冬:55.2%と、季節による差があまり見られないことからも、コロナ禍によって人々の換気意識は高まり、定着したと言えそうだ。
窓開けによる換気を実施している割合を季節ごとに調べたところ、春:89.5%、夏:85.2%、冬:73.0%となった。換気意識は季節によって変わらないものの、暑い夏や寒い冬には換気実施率が減る傾向があることがわかった。換気をしない理由を聞いたところ、「夏と冬は冷暖房効率を優先」との回答のほか、「夏は酷暑による熱中症への懸念がある」、「台風・ゲリラ豪雨が多く開けられない」という意見も挙げられた。また、雪が多いエリアでは「結露で窓が凍る」、「暖房代がもったいない」といった意見も聞かれた。
換気の満足度を聞いたところ、春:67.3%、夏:58.8%、冬:47.2%と、換気実施率同様、夏と冬は換気に対する満足度も減少した。換気する際の困りごとを聞いたところ、70%の人が「虫の侵入が気になる」と回答。ほかにも、雨、花粉、騒音、におい、防犯などの問題が挙げられた。また、「窓を開けて換気をしているが、本当に換気できているか不安」という意見も多く、「換気状況が見えたり換気が必要なタイミングを知らせたりするシステム」や、「自動で換気できる仕組み」などを希望する声が集まった。
住まいに対する意識で季節を問わず一番共感度が高かったのは、「断熱性が高く、かつ風通しのよい家が理想」(春・夏・冬3回の平均78.2%の人が選択)という項目だった。次いで共感が多かったのは、「自宅で趣味など好きなことができる空間」(平均66.8%)、「外から帰ったとき、菌や花粉を完全に落としてから家の中に入りたい」(平均64.0%)、「自宅にいても簡単な運動ができる空間」(平均62.8%)という項目だった。
調査対象者は18歳~74歳の男女。調査エリアは、2020年5月時点で、新型コロナウイルス感染拡大による特定警戒都道府県に指定された13都道府県。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。