政府は6月15日の閣議で、2021年版土地白書を決定した。新型コロナウイルス感染症による不動産市場等への影響のほか、大規模自然災害が続く近年の状況の不動産取引への影響や、防災・減災に対応した土地活用の取り組みなどを取り上げた。
新型コロナの影響に関しては、2021年度に限り負担調整措置等により税額が増加する土地について前年度の税額に据え置いた対応などについて触れた。2021年度は3年に1度の評価替えの年で、地価が上昇傾向にある中、多くの地点で固定資産税負担が増加見込みだったためで、土地に係る固定資産税の負担調整の仕組みと条例による減額制度も継続している。
また、防災・減災との関連では、▽災害ハザードエリアでの新規立地の抑制(都市再生特別措置法等の一部改正)、▽不動産取引時にハザードマップでの所在地等を情報提供(宅建業法施行規則の一部改正)、▽流域治水への転換の推進(特定都市河川浸水被害対策法等の改正)――などを解説した。
同白書で触れた土地問題に関する国民の意識調査によれば、不動産取引時に参考にする情報として、約4割が「ハザードマップ等の災害に関する情報」を参考にしたと回答。このうちの9割が「近年の災害の発生状況が影響している」と回答していることも紹介している。
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