信用調査会社の帝国データバンクはこのほど、5月の景気動向指数を公表し、前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化したと明らかにした。10業界中、建設など8業界が悪化した結果となった。欧米や中国での木材需要の拡大や、コロナ禍の混乱による海上輸送用のコンテナ不足などが影響した「ウッドショック」などによる価格高騰が響いた。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間延長、対象地域の追加・拡大などによる人流抑制など、経済活動に大きく制限がかけられたなかでの推移となっている。
建設は、前月比1.4ポイント減で、2カ月連続で悪化した。米国での記録的な低金利政策による住宅着工件数の増加傾向や、輸送コンテナの不足といった要因が重なり、海外からの輸入比率が大きい木材不足が発生。特に、住宅着工に関連した業種において工事の遅れや仕入単価の上昇といったマイナスの影響がみられた。
今後の国内景気は、一部地域で今月20日まで延長された緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の継続・解除のタイミングなどが、経済活動に大きく影響しそうだ。ただ、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化や、海外経済の回復、自宅内消費の増加などは、プラス材料になるとしている。
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