パナソニック ライフソリューションズ社(大阪府門真市)は、2021年度からタイでの新規事業を加速し、(1)住設機器の拡充、(2)空質事業の強化、(3)モジュール建築住宅事業に取り組む。
2020年度のタイの戸建て市場は順調に伸びており、今後も都市近郊部を中心に需要の増加が見込まれている。また、日本と同様にタイでも新型コロナの影響でおうち時間が長くなり、住まいに省エネや健康などの付加価値を求める声が高まる一方で、国民の高齢化や、建築業界における人手不足が顕在化しているという。そうした課題を解決するため(1)〜(3)を重点施策として掲げた。
(1)については、今年7月にも高齢者向け離床アシストロボット「リショーネPlus」を発売。さらにIoT宅配ボックス「スマートボックス」、スピーカー付ダウンライト、ユニットバス、住宅用IoTプラットフォーム「MirAIe(ミライ)」を投入し、スマートフォンで家電や住設を制御できる暮らしを提案する。
(2)では、これまでも換気扇や空気清浄機で業界をけん引し、タイの住宅向けにPM2.5対策用の換気商品を販売してきた同社だが、新たに「PM2.5給気ファン壁取付タイプ」を今年4月に発売。あわせて空気中のウイルスや菌を浄化する帯電微粒子水「ナノイーX」を搭載した機器の展開も始める。また、21年度下期には、病院・学校などの非住宅向けに、次亜塩素酸による除菌脱臭機「ジアイーノ」を東南アジアで初投入する。
(3)については、タイの鉄鋼製品・建材大手のサイアムスチール社と協業し、21年度中に高品質・高機能・短工期なモジュール建築住宅事業に参入する。今年3月にタイ中部のサムットプラカーンに340平米のモデルハウス「エクスペリエンスセンター」を開設し、空質空調、システムキッチン、ユニットバス、ホームオートメーションなどの展示を始めた。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。