新建ハウジングが運営する工務店向けオンラインスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、吉岡孝樹さんの「『小なれど一流』を目指す社長への【選ばれる工務店への道】コラム」ルームからの記事です。
大学卒業後、アパレル企業を経て住まいに関わること30年。自ら住みたい家に暮らし、同じ価値観でお客様にも提供する仕事がしたくて2000年鹿児島に移住し“日本一の工務店”と名高い 株式会社シンケンに入社。その後、2002年自宅を新築、2010年著書『家づくりの玉手箱』発刊。本作は、氏の個人的営業トーク→シンケンHPのブログ→書籍化というプロセスで生まれたもので、全編にわたり新鮮な住まい手目線の写真と文体で表現され読者から絶大な支持を得ている。SNS時代にも通じる住宅コンセプトブックの金字塔とも言える一冊。2019年に株式会社家づくりの玉手箱を設立、『工務店の参謀』としての活動を開始。…
19回目のお花見 その1 からつづく
剪定したくない桜の木
わが家の桜は、これまで2回ほど剪定をしてもらいました。最初は植えてもらってから14年目の頃でした。
せっかく「花がいっぱいになってきたのに、もったいないなあ」と思ったのですが、妻から「切らないとどんどん上に伸びて2階からの花が少なくなる」と言われて庭師さんにお願いしました。(自宅は2階がリビングになっていて、妻はほとんど日中2階にいます)
↑2016年剪定前 お向かいさんの屋根の上まで伸びていました
↑2016年剪定作業風景 雨の中ありがとうございました!
↑2016年剪定後 けっこう大きな枝をバッサリ切りました
手を入れることによる「発展」
それから4年が経ち、確かに2階の食卓からの花は増えて。4枚の屏風絵のようなとても美しい景色になりました。
↑毎日が、まさに日本画の屏風絵世界であります
さらに、上にも伸びていきロフトの窓からも足元にひろがる淡いピンクのひらひらは、遠くに望む桜島とともに織りなす新たな絶景になっています。朝の目覚めの時間にこの『絶景』を見ようと、窓のところにベッドを引っ張ってきて枕を置いて、朝いちばんのまぶしさと共に桜島+桜の絶景をたのしみました。
無理やりのようではありますが、この自由度がいいのです。たとえ部屋が小さくても家具の置き場所が様々に変えられたら、そしてその置き場所がそれぞれに魅力的であるとしたら、それだけでもいい住まいの条件のひとつを満たしていると言えます。
↑屋根裏でいちばん早い朝日とともに起きるのです
「ステイホーム」のご感想
入居当初とは、高さも枝の広がりも花の数も比べものにならない
実は、これまでたくさんのお施主様に桜の木をオススメしてきました。正直、ちょっと押し売り的なケースもあったりましたが、こうして毎年毎年時間を経てご自宅の居心地が良くなっていってるだろうなと思うと、そこに確かめに行きたくなります。
全国的に2年続けて我慢のゴールデンウィークになりましたが、お手伝いさせていただいた方々からは、
「おウチは最高です。できればどこにも出たくないですw」
「自宅で過ごすことが楽しいです。快適ですよー^ ^」
「仕事以外の時には家にこもっています。快適な住まいにしていただいたので家ごもりは全く苦になりません!」
という様なコメントをいただきました。昨今の様に出かけたいのに我慢しないといけないといったような状況は想像もしていませんでしたが、このように言っていただけると嬉しいものです。
これからの世の中、おそらくは自宅で過ごす時間は増えていく方向になりそうです。それぞれの家庭で住まいが成長して、豊かな「ステイホーム」を楽しんでもらえるようになっていたらいいなと思います。
19回目のお花見 その1の桜開花予想マップの使用について日本気象株式会社の担当の方と5月になってからやりとりをしました。 コラムでの画像の使用をこころよく承諾して下さったのですが、「まだうち(鹿児島)の桜咲いてますよ」とお伝えしたら、とても驚かれていました。
↑鹿児島の桜は5月になってもがんばってました
こうして季節の移りかわりや様々な「旬」の到来を感じることができるのは、住まいのまわりの身近なところに「自然」があるからです。たくさんの「生命」にかこまれて生活するのは手入れや掃除はともないますが、気持ちが良く生きる豊かさのひとつです。また、日常の中で楽しむ「美意識」でもあります。本来、この国の庶民の美意識とは、こういう身近な日常の中にあった「現実」から見出されたものでした。
皆さんのお宅のお庭では、木の成長を楽しめていますか?
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