YKK AP(東京都千代田区)は5月18日、横浜市で不動産業を手掛けるプレイス・コーポレーション(横浜市)と共働し、中古戸建て住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクト物件「鎌倉 常盤の家」が鎌倉市常盤にて完成したと発表した。
同プロジェクトは、全国のリノベーション事業者と連携して「断熱」「耐震」を軸としたリノベーションを施し、住まいの価値が「窓・開口部」でかえられるかを実証するもの。2017年度から展開し、今回で16物件目となる。
築46年の同物件には、新たな暮らしへのニーズを取り込んだリノベーションを実施した。由緒ある街並みと景観に馴染むよう、外観も一新。内観は、建物の素(す)の構造を活かしつつ間取りプランを変更し、断熱改修・耐震補強などで住宅性能の向上を図った。地域に根ざした「職住遊学」が融合したプランニングで、街並みに調和する意匠と暮らしを再構築するリノベーションとなった。
同物件では、窓を同社の高性能樹脂窓に交換したことで断熱性能を改修前の約7倍に向上。HEAT20 G2相当の居住空間により、ヒートショックリスクの軽減と年間冷暖房費の約4割削減を可能にする高い省エネ性能を実現した。また、同社の開口部耐震商品「FRAME Ⅱ(フレームツー)」を採用し、窓を減らさず開口部の耐力壁量を増やしたことなどで、耐震等級3相当の強度まで高めている。
同物件は、長期優良住宅化リフォーム推進事業において、鎌倉市から長期優良住宅認定を受けている。今後は、両社のコンセプトモデルとして事業者向けに公開。「性能向上リノベーション」のノウハウ提供や、空き家などのストック市場の流通活性化に繋がるモデル物件として地域への情報発信に活用していく。
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