国土交通省は3月22日、2012年1月1日時点の公示地価を発表した。住宅地の全国平均は前年比マイナス2.3%と、4年連続で下落。ただ、下落率は前年より0.4ポイント縮小した。下落率の縮小は2年連続。
都道府県地価調査(毎年7月1日時点)と共通する地点の地価を比べると、地域によりばらつきはあるものの、おおむね12年前半(1~6月)は下落率が拡大し、後半は縮小していた。震災の影響で、不動産市場が一時的に停滞したが、その後、比較的早期に回復傾向を示した。
改善の要因として国は、「低金利や住宅ローン減税などの施策による住宅需要の下支えがある」と説明。人口の増加した地域で下落率の縮小傾向が見られた。
住宅地の都道府県別平均はすべてマイナスだったが、32都道府県で下落率が縮小した。下落率が最も小さかったのは愛知県のマイナス0.2%。最も大きかったのは高知県で、マイナス8.5%だった。
被災地では、県により傾向の違いがあった。宮城県では津波の被害がなかった高台の住宅地に対する移転需要の高まりなどで地価の上昇地点が見られ、下落率が大きく改善したが、岩手県は前年と同程度の下落率、福島県は前年より下落率が拡大した。
なお、津波による被害が大きかった地点や原発事故による警戒区域内の地点は、調査地点の変更や休止の措置をとった。
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