住宅生産団体連合会(住団連、東京都千代田区)が5月10日公表した「経営者の住宅景況感調査」の2021年度第1回調査結果によると、戸建て注文住宅は、2020年度第4四半期の受注実績が受注戸数△21ポイント、受注金額△8ポイントとなり、2期連続のマイナスとなった。これは新型コロナの影響を受けて大幅なマイナスとなった2019年度第4四半期との比較であることを考えると、極めて厳しい状況だったことがうかがえる結果となった。
「新型コロナウイルス感染症の影響による集客減」(他、同様のコメント2社)、「2回目の緊急事態宣言によるマインドの低下」、「正月の集客が伸びなかった」などのネガティブなコメントがある一方で、「ZEH提案が進んでいるエリアが好調」、「引き続きスマートハウスの関心度が高い」、「棟数は前年を下回ったが単価が上昇」、「販促効果による集客増」といったポジテイブな回答も見られた。住団連では「新型コロナウイルスの感染拡大により顧客開拓に苦しむ中で、関心の高まっているZEHやスマートハウスなどの高単価の住宅を受注で対応していることがうかがえる」と分析する。
今期(第1四半期)の見通しとしては、受注戸数+65ポイント、受注金額+63ポイントと、大幅な増加の見通しとなったが、住団連では、「消費税率再引上げと新型コロナウイルスの発生により2年連続で大きなマイナスとなった昨年度第1四半期との比較のため、楽観視はできない。また、本調査実施後に緊急事態宣言等が出されたことから、実績が見通しに届かないことも想定される」と慎重な姿勢を示した。
戸建注文住宅、戸建分譲住宅、 低層賃貸住宅、リフォームを合わせた全体の景況感としては、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない状況により、受注戸数が△41ポイント、受注金額±0ポイントという結果となった。今期見通しとしては、受注戸数+65ポイント、受注金額+70ポイントと9期ぶりにプラスに転じるとしている。
調査は、4月上旬に住団連と住団連団体会員の会員企業15社の経営者にアンケートし、以下15社から回答を得た。
旭化成ホームズ、一条工務店、大野建設、サンヨーホームズ、スウェーデンハウス、住友林業、積水化学工業、積水ハウス、大東建託、大和ハウス工業、トヨタホーム、日本ハウスホールディングス、パナソニックホームズ、ミサワホーム、三井ホーム。
毎年1月、4月、7月、10月の年4回実施。受注戸数・受注金額の直近3ヶ月間の実績とむこう3ヶ月間の見通しを、対前年同期比「10%程度・以上良い、5%程度良い、変わらず、5%程度悪い、10%程度・以上悪い」の5段階で調査。「良い」の割合から「悪い」の割合を差し引いた値を景況感指数として数式に当てはめて数値化している。
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