三井不動産(東京都中央区)はこのほど、2030年度までに同社が首都圏で所有するオフィスビル、商業施設、ホテル、物流施設、賃貸住宅などすべての施設について、共用部の使用電力を再生可能エネルギーとするグリーン化を推進すると発表した。
このうち東京ミッドタウン3施設や日本橋エリアのミクストユース型基幹ビルなど25棟を「先行導入ビル」とし、2022年度末までに使用電力のグリーン化を実現する。
同社は、2020年12月に東京電力エナジーパートナーとオフィスビル等における「使用電力のグリーン化に関する包括協定」を締結して約6億kWh相当のグリーン電力化を図るとともに、他の電力事業者とも連携。4月からグリーン電力化を順次開始している。
特定電気事業により電力供給を受ける施設においても、グリーン電力化を推進。東京ミッドタウン八重洲(2022年8月竣工予定)は同社が所有・開発する太陽光発電所の環境価値を付与したグリーン電力を活用するほか、日本橋、豊洲エリアでも2021年度下期からトラッキング付非化石証書を活用したグリーン電力化を進めるという。今後も施設ごとにグリーン化の仕組みを拡大し、2030年度末までに同社が首都圏で所有(一部所有を含む)する全施設の同社使用電力のグリーン化を実現するとした。
約120の全施設において、グリーン化される電力量は年間換算約3億kWh(東京ミッドタウン日比谷共用部使用量の約30棟分)。この取り組みによるCO2削減効果は約12万3000トンとなり、一般家庭の約6万9000世帯分に相当する。このうち、先行導入ビル25棟の2022年度末時点でグリーン化される電力は年間換算2億kWh、CO2削減効果約8万2000トン、一般家庭約4万6000世帯相当を超える見込みとなっている。
同社が保有・賃貸するオフィスビルなどのテナントや共同事業オーナー向けに提供している「グリーン電力提供サービス」についても、4月から入居テナント各社に提供開始。それぞれのニーズに応じて柔軟に対応し、国際基準であるRE100やESG課題への取り組みを積極的にサポートしていくという。
同社は「脱炭素社会」に向け、社会的使命や企業の経営課題に寄り沿ったソリューションやサービスを提供、顧客ニーズに応えることで課題解決を図りたいとしている。今回のグリーン電力化と並行して、各施設の「省エネ」や、施設内外での再生可能エネルギーの「創エネ」を推進。首都圏に限らず全国レベルで、テナント企業や共同事業者と共に脱炭素経営に取り組み、持続可能な社会の実現、 SDGsへの貢献を目指す。
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