COMODO建築工房(栃木県宇都宮市)代表の飯田亮さん(41歳)は、工務店目線で工務店のブランディングを行うCOMODO★LABO(コモド・ラボ)を立ち上げ、現在、群馬県前橋市にある群栄美装のブランディングを行っている。飯田さんは、「アイデンティティーが明確であること」「建築が好きであること」こそが、地域工務店の持続経営のカギであると考え、それを引き出して固めることをブランディングで重視する。
コモド・ラボの活動を拡大して「工務店の地位向上」のきっかけをつくりたいと考える飯田さんと、コモド・ラボによるブランディングの支援を受けて「建築に向き合う姿勢が変わった。もっと高みを目指したい」と語る群栄美装の井野優一さん(35歳)の対談から、地域工務店ならではのブランディングのあり方を考える。
設計者にしか撮れない写真・動画がある
飯田さん:コモド・ラボは、もともとは、コロナ禍でも継続して仕事を取っていけるように、自社のブランディングや情報発信の強化を目指して、独学で建築(住宅)を紹介する写真や動画の撮影・編集について学び始めたことがきっかけ。自分で撮影や編集を行っているうちに、工務店だからこそできる見せ方があるのではないかと気づき、それも含めて自分がCOMODO建築工房でやってきたノウハウを生かせば、「建築が好きな工務店」ならではのブランディングを支援することができるのではないか、と思い至った。
井野さん:飯田さんにブランディングを依頼したきっかけは、自社で手掛けた飲食店のブランディングを飯田さんにお願いしたこと。オーナーからお店のロゴやメニューのデザインなどについて頼まれ、どうしようか思い悩んでいた時、施主のお店のブランディングを何件も手掛けている旧知の仲の飯田さんのことが思い浮かび、お願いした。
所作や服装までブランドに重ねる
飯田さん:ブランディングというのは、「そのお店らしさ」や「その人らしさ」、「やりたいこと・目指すこと」、そしてアイデンティティーを引き出すことだと考え、業種が違っても頼まれれば引き受けてきた。その経験は、工務店のブランディングではさらに効果的に生かせると思っている。
群栄美装さんについても、井野さんがやりたいことを引き出しながら、井野さんらしい住宅の雰囲気をバランスさせていきたい。いまは、実例(住宅)の写真・動画から始まり名刺や会社の封筒をリデザインし、SNSによる情報発信の仕方、顧客とのメールのやり取り(文体)、井野さんの服装、所作、立ち居振る舞いなどについてもアドバイスしている。今後は、ホームページなども変えていきたい。
群栄美装さんは、1棟3500万~4000万円という高額な住宅を受注できているが、若さゆえの井野さんの軽さや会社の雰囲気が、少し客層やつくる住宅とギャップがあり、そこを埋めることも意識している。
リブランディングの動機は「もっと高みを目指したい」
井野さん:温熱性能が高く、デザインにも優れる住宅を提供したいという思いで家づくりを手掛け、正直、受注にも困っていなかったが、住宅について本格的に学んだことがなく、「何かが足りない、もっと高みを目指したい」という思いがあった。
⇒ 続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン5月号(5月10日発行) 工務店ならではの広報&ブランディング』に掲載しています。
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