YKK不動産(東京都千代田区)は、富山県黒部市で進めているパッシブタウンにおいて、パッシブデザイン+脱炭素+ZEBを実現する木造保育施設「たんぽぽ保育園」を建築する。着工は2021年4月、開所予定は2022年3月。
このパッシブタウンは、街区ごとに時期を分けて2015年から建設をスタート。第1~3期街区はパッシブデザインの集合住宅であり、たんぽぽ保育園はもともとYKKグループの事業所内保育施設として第1期街区商業棟に2016年4月に開所し、運営してきた。だが、送迎時の安全性確保や保育環境の一層の向上、入所希望者増への対応を図る目的で「第4期街区」への移転を決定、パッシブタウンの北西に位置する3167.55平米の敷地に新たに建築することになった。
総合設計は田口知子氏(田口知子建築設計事務所)、環境設計は谷口景一朗氏(スタジオノラ)、設備設計は高井啓明氏(竹中工務店)、ランドスケープ設計は宮城俊作氏(設計組織PLACEMEDIA)、施工は平野工務店が担当。(1)ランドスケープに応じた伸びやかな空間、(2)パッシブタウンにふさわしい温熱環境、(3)地域につながる木造建築−−に主眼を置いた延べ床面積469.99平米の木造平屋建てを計画した。
建物の断熱仕様は、屋根GW24K100+フェノールフォーム100mm、外壁GW24K100+フェノールフォーム70mmで、外皮性能はUA値0.299。日射をコントロールする南面庇や可動式シェード、卓越風を効率よく採風する窓・格子戸の配置、主暖房の方式などは高精度シミュレーションから導き出している。さらに、地元・新川(にいかわ)地域の杉を構造材・羽柄材に使うことで、50t以上のCO2固定が実現できるとする。
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