新建ハウジングが運営する工務店向けオンラインスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、佐藤実さんの「チカラボ版『伝え方&聞き方』講座」ルームからの記事です。
佐藤 実
構造塾 塾長、一級建築士、構造設計一級建築士、東京大学大学院修士課程修了。木造住宅専門の構造設計・構造計算、構造計算育成コンサルティングなどを行っています。構造を基礎から学ぶ「構造塾」も主宰しており、現在構造塾塾生は全国に1500社、2000人。「日本中の木造住宅が地震で倒壊しない」ことを基本理念に構造計算の必要性を伝えています。
M’s構造設計、構造塾の佐藤実です。チカラボ版「伝え方&聞き方」講座の第12回です。
誰かに何かを伝えるとき、「説得力」これはとても大切です!
例えば儲かっていない経営コンサルタントのコンサルティング、説得力無いですよね……
RCマンションに住んでいるのに木造住宅が最高!!木造住宅に住みましょう!!という建築業者。これも説得力無いですよね。
*僕は、RCマンションに快適に住んでいるので木造住宅の耐震性能について話しますが、木造住宅に住むべきとは言いません。
工務店にとって最大の「説得力」とは?
または、私たちはこんなに素晴しい家をつくっています!!と、お客様には薦めるけど、自分は住んでいない建築業者……。
説得力無いですよね。
お客様からしたら、そんなに素晴らしい家なら、自分が住むはずですよね……と思うはず。
自分ができないこと、やっていないことは説得力に欠けます。
なので、最も簡単な説得力は、自分ができること、やっていることを伝えること。とてもシンプルです。
建築業者であれば、自分自身が自社の家に住んでいて、その快適性を実感している。そこを伝えることは説得力抜群です。
「想い」と「裏付け」で説得力が得られる
しかし、住んでいなくても説得力ある伝え方もあります。
例えば、まだ若くて家を建てるのはまだ先の場合、将来自分自身が建てたい自社の家、それを今まさに手に入れようとするお客様を羨ましいと思い、自分自身の家をつくるように親身になってお手伝いをする、こんな姿勢、想いは説得力となり伝わります。
または、現在務めている建築業者に転職する前に、他業者で自邸を建築。満足していたが、今の建築業者に転職し、家づくりを知ることで自邸が失敗だったと気づく……自分自身のような失敗をしないよう、家づくりをお手伝いする。これも説得力があります。
ここで注意が必要なことがあります。それは、「説得力」には裏付けが必要であるという事です。
自分自身が体験している快適な家、自分自身がほれ込む家は、何となく快適、安全なはず!など、性能面に関することに工学的根拠がないものはNGです。住宅の性能は工学的根拠があることで「説得力」となります。ここを忘れないようにしてください。
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