リブ・コンサルティング(東京都千代田区)は、工務店がオーナー(既存顧客)との関係性を深め、オーナーに応援されながら、紹介・クチコミによる受注を増やしていくためのツールとして「アンバサダークラウド」の提供を4月から始めた。
クラウド上で提供するサービスで、単に定期点検・メンテナンス、イベントなどの情報を発信するだけでなく、オーナーとの双方向のコミュニケーションを深めながらファン化を促進し、「顧客資産」として生かしていくためのツールだ。
導入により、まずは「オーナーズクラブ会員ページ」を開設。会員(オーナー)向けに自社の取り組みや暮らし全般、メンテナンスなどの情報を配信しながら、会員を対象にポイント制度を運用する。「完成見学会への協力」「SNSやクチコミサイトへの投稿」「友人への情報発信・連絡先紹介」「紹介による友人の来社」など“応援活動”のメニューを設けて、活動の実施にあわせてポイントを付与、一定のポイントが蓄積されるごとにカタログギフトなどを贈る仕組みだ。
リブ・コンサルティング執行役員の石井祐季さんは「SNS時代のいま、広告など直接的な情報発信よりも、第三者(ユーザー)によるリアルな判断や支持(応援)が消費者の行動を左右する」と指摘。アンバサダークラウドでは、ポイント制度などにより、オーナーによる積極的なSNS投稿を促す。同ツールは昨年プレリリースしており、導入企業の中には、オーナーによるInstagramの投稿が数カ月で300~400件あがるといったケースも見られるという。
一方で、同ツールは、オーナーの応援行動の状況などを可視化(数値化)する機能も備えており、オーナーの属性・ランクをセグメントして必要な情報を最適なタイミングで発信し、応援行動を最大化することが可能だ。紹介受注やクチコミを増やすデジタルマーケティングのツールとしても有効に活用できる。
石井さんは「顧客(オーナー)にファンになってもらい、応援してもらう“アンバサダー経営”こそが真の地域密着型のモデルとして工務店経営でも主流になっていくだろう」との見方を示し、「クチコミ・紹介による受注だけでなく、人材の紹介や業務サポートなど“応援”の範囲は幅広く、応援を定量化することで生産性向上や経営安定化に向けた効果も見込める」と話す。
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