東北大学(宮城県仙台市)の研究グループはこのほど、水害発生直後に報道機関が公表する写真を機械学習し、衛星観測データから浸水建物を把握するアルゴリズムを構築したと発表した。
これまで、AIによって衛星画像から洪水被害を把握するには、多くの水害事例からデータを集積し、それを機械学習する必要があったという。しかし今回の研究では、過去の事例データを用いることなく、水害発生直後に報道機関が発行した新聞やウェブサイトの写真を機械学習し、衛星観測データから高精度で浸水した建物を判別するアルゴリズムを構築した。
性能を評価するために、2018年の西日本豪雨水害に適用したところ、洪水発生から24時間以内に報道された情報を利用することで、浸水した建物を約8割の精度で特定できたといい、報道機関と連携すれば、AIにより大規模水害の被害の把握をリアルタイムに近い時間で行える可能性があることを実証した。
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