九州地方で「世界基準のいい家」づくりを掲げる数少ない存在の1社が、PASSIVE STYLE(鹿児島市)だ。
LIXILの断熱工法・スーパーウォール(SW)工法をベースに、付加断熱を施すことで、全棟HEAT20・G3レベルの断熱性を達成する。高い躯体性能でパッシブデザインの効果を担保し、南面からの日射取得によって、冬でもほぼ無暖房で30℃前後の室温を保つ。
ベースは施工性の良いSW工法
社長の馬場龍仁さんはもともと、SW工法の加盟店に勤務していた。ドイツへの視察で本場のパッシブハウスを知り、「G2の性能でも世界から見れば低すぎる」と実感。2019年に独立し、世界レベルの性能を目指すべく、SW工法プラス付加断熱を自社の標準仕様とした。
硬質ウレタンフォーム100mm厚(熱伝導率0.019W/m2K)のSW壁パネルに、付加断熱材としてEPS50mm厚を組み合わせた湿式外断熱工法で、全棟G3(7地域でUA値0.26W/m2K)をクリアする性能を持たせる。EPSは透湿に対する遮蔽性が高いので、通気層は本来なら不要だが、雨水侵入のリスクなども考慮して、排水機能付きの透湿防水シート「タイベック ドレインラップ」を使っている。
断熱材一体型のSWパネルを使っているのは「施工性が良いから」。SWパネルの性能向上もあって、グラスウールの半分以下の厚みでG3が実現できるのもパネルの利点だ。壁倍率は2.5倍で、耐震等級3を実現するのにも一役買っている。・・・・・
⇒ 続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン2021年4月号 暮らしをアップデートする高性能住宅』に掲載しています。
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