住宅の地盤調査・建物検査を行うジャパンホームシールド(東京都墨田区)はこのほど、住宅基礎立上げ部の工場生産によって工期の短縮と品質向上を実現するプレキャスト基礎の新工法「アイランドベース」の販売を始めた。春以降、現在の製造拠点15か所(月間生産300棟)を70箇所(年間生産1万棟)に拡大するなど事業拡大を計画中だ。
同社基礎事業部の中村亮さんは「これまでの多くの住宅現場では、地盤状態に応じた基礎設計が行われてこなかった」と課題を指摘。地盤調査・建物検査を行う同社が関わることで「地盤・基礎・躯体の一体的な構造計算」が可能となり、さらに「地盤の反力が基礎のスラブに与える影響を解析できることで、内部立ち上がり点数を減らしたことが、コスト低減にもつながった」とする。
アイランドベースは、スラブ打設時にプレキャスト基礎を同時に施工するので、これまで2~3週間かかっていた基礎工事の工期を1週間に短縮できるという。基礎の天端や外周仕上げなどの工程が不要となり効率化が実現するほか、基礎伏せ図も同社が作成するため、設計業務の負荷の軽減にもつながる、という。
現場施工ではないため、天候や職人の技術によるばらつきが発生しにくい。コンクリートの耐久設計基準強度は30N/平方ミリメートルの長期仕様で経年劣化を抑制でき、日本建築センターの技術審査評定(BCJ評定LC0170-01)を取得済み。製品は製造評定を取得した工場から納品、研修を修了した認定施工店が施工する。
中村さんは「立ち上がり部分の減少で床下空間がひろがり、通気性や配管、点検などの課題がクリアできたのも大きい」と住宅のメンテンス性を高めるメリットについても説明する。
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