新建ハウジングが運営する工務店向けオンライスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、佐藤実さんの「チカラボ版『伝え方&聞き方』講座」ルームからの記事です。
佐藤 実
構造塾 塾長、一級建築士、構造設計一級建築士、東京大学大学院修士課程修了。木造住宅専門の構造設計・構造計算、構造計算育成コンサルティングなどを行っています。構造を基礎から学ぶ「構造塾」も主宰しており、現在構造塾塾生は全国に1500社、2000人。「日本中の木造住宅が地震で倒壊しない」ことを基本理念に構造計算の必要性を伝えています。
M’s構造設計、構造塾の佐藤実です。チカラボ版「伝え方&聞き方」講座の第11回です。
誰かに何かを伝えるとき、「想い」の無い言葉は伝わりません。
例えば、スピーチ。話すことを忘れないように原稿を用意する気持ちはわかります。しかし、原稿を読み上げるだけのスピーチからは「想い」は伝わってきません。せっかく、想いを込めて書いた原稿なのに……。
実は、原稿を書く時点で話す内容は頭に入っています。話す流れ(ストーリー)も整理できているはず。話すことが忘れそうで怖いというのであれば、話の内容を箇条書きにして手元に置きましょう。話す「流れ」は箇条書きの原稿でチェックし、話す「内容」は原稿を読まず自分の言葉で話します。自分の言葉で話すことで「想い」が込められます。そして相手には伝わります。
テキストから見えない「奥行」を伝えるべき
例えば、セミナー。配布されたテキストを読み上げるだけの講師っていますよね。あれは時間の無駄!!テキストを読むだけならば誰でもできます。わざわざ時間を空けて、セミナー会場まで足を運ぶ必要はありません。これって、受講者の時間を無駄にしています。セミナー講師は、セミナー講師にしかできないテキストからは見えない「奥行」を伝え、受講者に持ち帰って貰うべきことを認識する必要があります。
例えばプレゼン。やはり話す内容を忘れないよう原稿を用意したくなりますよね。これもまた、「想い」が無いため伝わりません。そこで、よくある勘違い……。原稿を用意しない代わりに、「シナリオをプレゼン資料に書く」という行為です。
これ、実はとても多いのです。プレゼン資料は話すべき文字が羅列し、プレゼンターは手元の原稿じゃなく、画面のシナリオを読む、とにかく読むだけ。これも全く伝わりません。そして、最悪のプレゼン資料です。
原稿を書く・プレゼン資料を作成する時点で、伝えるべきこと、ストーリーはできているはず。これもプレゼン資料に表記するのは話すべき一語一句ではなく、話すべき項目を箇条書きにしましょう。
「想い」の無い言葉は伝わりません。いくら話し方が上手くても。逆に、話し方が若干下手でも、自分の言葉で「想い」がこもっている方が相手には伝わります。こうなると、必ず、「下手な話し方でも良い、想いがあれば」なんて言いますが、それは最初だけ、目指すべきは、「想いのある 上手い話し方!」ここですよ。
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