北海道らしいロングライフデザインの家づくりを提案する地場工務店・藤城建設(札幌市、藤城英明社長)は、真冬のブラックアウト(大規模停電)を想定した住宅実演会を2月15日に開催、そのようすを公表した。
札幌市東区中沼に建つ自社ブランド「NORTH LAND PRIDE」のモデルハウスを使って行ったのは、積雪期における「住宅の太陽光発電と蓄電システムによる停電時自立運転」の実演。
2018年に発生した北海道胆振東部地震では建物被害や液状化に加え、全道で停電。電気の復旧に約2〜3日を要したとされる。このときは暖房期ではない9月だったが、真冬だと室温の低下や、氷点下での移動・買い出しにリスクが伴う。また、コロナ禍であり、小さな子どもや高齢者のいる世帯は避難所で過ごすのが難しいケースもあることから、真冬にブラックアウトが起きても数日間「在宅避難」ができる環境があれば安心だとして、実演を通じて高断熱・高気密+創エネ+蓄エネの実効性をデメリットを含めてわかりやすく解説することにした。
モデルハウスのUA値は0.25。屋根に9.38kW、壁(東・西・南)に6.4kWの太陽光パネルを設置し、室内に容量5.6kWhの蓄電池、屋外にはEV車から200Vの給電が可能なV2Hシステムを備えている。
積雪のある2月でも壁面の太陽光パネルが1日平均10kWh発電することを示したうえで、最低限必要なリビング照明や冷蔵庫、Wi-Fiルーター、トイレなどの回路をつないでおけば停電時でも使用できることを説明。さらに、容量40kWhのEV車なら満充電時に最大4日分、60kWhなら最大6日分の電気がまかなえるとした。
あわせて、日常での発電・蓄電・売電状況も公開。デザイン性が高く、強くて長く使える性能のいい家の建設にお金をかけたほうが、光熱費や維持費の負担が減り、生涯のトータルコストでみると性能にお金をかけない家と同等もしくは安くなり、安全に暮らせることを説明した。
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