新建ハウジングが運営する工務店向けオンライスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、川島マリさんの「心地よく住む研究会 [片付けやすい収納提案]」ルームからの記事です。
「片付け」と「暮らし」が密接に関わることに気づき、2009年、整理収納アドバイザーを取得。整理収納作業で伺うお客様宅のほとんどが、「収納」や「家事動線」を考えられていない家だという現実があり、新築やリフォームの際に住まい手に合わせた収納提案をされていないという現状に疑問を持つ。そこで、自身のマンションリフォームと、注文住宅購入の施主経験と 整理収納のプロの知識から、住宅関連の方に向けた講座を考案。NPOハウスキーピング協会の認定資格『住宅収納スペシャリスト』として資格講座をスタートさせ、運営会社(株)イリスを設立。1000件以上の個人宅や、倉庫、福祉施設などの整理収納サービスを行う他、住宅関連の集客セミナーや研修講師としても活動中。
こんにちは、住宅収納スペシャリストの川島マリです。新築やリノベーションの新しい図面をお持ちいただき、収納と動線について一緒に考えるコンサルティングをしています。
以前も間取りの決まらないお施主様について書きましたが、今回も間取り変更を繰り返している方についてです。
収納相談をしていると、間取り変更を繰り返すお施主様のお話を伺う機会が多いです。
ゴールが見えず、沼に入ってしまったようで、何度も間取りを書き換えているうちにご自身がどうしていいか分からない。
「これだ!」と思う提案が出てこない担当者に対しては不信感が生まれ、悪いところ探しになっている方もいます。
大変な労力なのに報われない担当者は気の毒です。
信頼関係が築けないまま完成し、いい結果にならなかった家に伺うこともあります。
住宅関連の方は家が完成したら暮しを見る機会は少ないと思いますが、私は引越し後の家へ伺う仕事をしています。なので、新しい家なのに不満に思われている方からお話を伺います。
全ての人が当てはまるわけではありませんが、私自身の施主経験と仕事から気づいた間取りが決まるポイントを5つ書きます。
1.暮しの想像が出来る提案は、安心できる
2.打ち合わせが楽しみ!と思ってもらえる関係
3.詳細なヒアリングが、時短と効率アップにつながる
4.ハード面の質問や打ち合わせが続くと希望が入っても不満になる
5.繰り返しの質問で気持ちを整理すると、不満な間取りの解決策が見つかる
1.暮しの想像が出来る提案は、安心できる
収納コンサルティングでは、新築やリフォームをされる方の間取り図へ、家のなかにある物を当てはめながら日常生活がスムーズに動ける動線と収納になるようにお客様と一緒に確認し、物の配置を決めるところからはじめます。
家のなかにある物が一覧になっている表を見ながら、今の暮しから新しい間取りへ生活を載せ替えていくことで、線にしか見えていなかった間取りの上で自分たちが生活している様子を想像してもらいます。
質問することによりご自身で考え気づくこともありますし、そこではじめてご夫婦が話し合う場合もあります。
もちろん、収納と動線のアドバイスは致します。
間取りの決まった方には各収納へ入れる物や収納家具の配置を決めながら、いまの家で溢れている物や処分が出来ずに悩んでいる物に対しての整理方法と、新しいお住いでの使いやすい収納について説明します。
これを行っていると引っ越し後に持ち物が全て収まる安心感と暮らすイメージが出来たと皆様に喜んで頂けます。
間取りが決まらない方には、ヒアリングで伺った今の暮しの情報と照らし合わせて、悩んでいる間取りの家で生活したら収納や動線をどうするか、やはり質問をしながら具体的に考えてもらいます。
先の見えない不安でいっぱいだったところも、安心できる収納と困るところがハッキリわかるので先にすすめるようで笑顔になってもらえます。
新しい家での未来を想像してもらうコンサルティングは、占い師のようです。
失敗したくない家づくりですが、初めて経験する方が多いので、あなたの家族が暮らすなら「これで大丈夫」「このままではこうなるかも」と誰かに教えて欲しいのです。
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