新建ハウジング本紙3月30日号の注目トップ記事は、新建ハウジングが運営する工務店スクールメディア「チカラボ」で、このほどオンライン開催した「チカラボ・オープンキャンパス」の模様を伝えています。経営や設計、マーケティングなど、多様なテーマに沿って、マイスターがノウハウを伝えるもので、今回は『小さな工務店経営論』について、石田伸一さん(石田伸一建築事務所代表取締役)、飯田亮さん(COMODO建築工房)にご登壇いただきました。お二方は、自分たちの目指す山を登る―。これを徹底しながら、ソフト・ハードといった表面的なことだけでなく、本質的な「建築思想」そのものを伝えている姿がそこにはありました。
3面では、工務店によるM&Aについて詳報しています。若手人材・後継者不足・・・。これは工務店業界に限った話ではありません。中小企業をめぐっては深刻な「人材不足」が問題化しています。リヴ(京都府向日市、波夛野賢社長)は、同市を拠点に創業から57年間で分譲住宅をメインに累計4000棟を手掛けてきた工務店・四辻木材興業(四辻紀彦社長、以下四辻)の発行済み全株式を取得し子会社化したと明らかにしました。
四辻は昨年の分譲販売棟数60棟、年間売上20億円の堅調な業績を残す優良企業。にもかかわらず、なぜ売却に至ったのか。それは、全従業員の平均年齢が60代で、代表も83歳と高齢。事業承継待ったなしの状態だったからです。そのため四辻は戦略的M&Aで、同商圏のリヴに売却を決めました。それぞれ新築や非住宅木造、分譲と住み分けができていたことも大きいですが、それ以上に、金銭的条件ではなく「経営者同士の理念やビジョンが合致した」(波夛野さん)ことが決め手になりました。今後もますます業界内でM&Aの活発化が予想される昨今ですが、こういった事例は、これからも出てくる話でしょう。
そのほか、コロナ禍に見舞われた昨年の受注状況について、全国建設労働組合総連合(全建総連)が組合員を対象にした独自調査による結果や、町の工務店ネット(小池一三代表)の新たな動き、そして2月の住宅展示場来場者データの分析結果など、余すことなくお伝えしています。【栁原潤】
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