VRのクラウドソフト「スペースリー」を運営するスペースリー(東京都渋谷区)は3月29日、360度パノラマVR上に実際に販売されている家具のCGモデルをAIが間取りに合わせて自動で配置、また、オンライン上で誰でも自分の部屋の家具コーディネートができる、家具シミュレーター「AI空間設計」β版の提供を開始したと発表した。
VR空間上で家具などのCGモデルを自由に配置、シミュレーションできるオンラインのクラウドシステムで、360度カメラで撮影した部屋のパノラマVR画像をスペースリーにアップロードし、内見用のパノラマVRコンテンツを制作できる。
実在する家具で空室のバーチャルホームステージングができるほか、シミュレーター自体を自社ウェブサイトに掲載できる。顧客とURLを共有し、検討する物件のVR空間上で家具を配置して試すことも可能。また、AIが間取りに合わせておすすめの家具を配置する自動バーチャルホームステージングも可能となる。
サービス導入により、不動産会社は顧客に家探しの楽しみや具体的なイメージを提供可能。問い合わせ率の向上と売却・空室期間の短縮が期待できるほか、ホームステージングのコスト削減や業務効率化を実現できる。また、不動産売買や管理分野において媒介仲介の獲得や新たなオーナーを獲得できるという。
家具ブランドはカリモク、コクヨ、Francfranc、日本フクラなど約40社。
今回、多数の家具ブランドの参画を記念して、先着30社限定で2週間のトライアル期間中、同サービス機能を活用できる「無料トライアルお申し込みキャンペーン」を実施する。
同社は、以前から物件の360度パノラマVRにバーチャルな家具を配置するサービスを提供しているが、コロナ禍以降、不動産売買や高級賃貸分野を中心に事業者からのニーズが急増し、1月は前年比約5倍となった。12月に実施した消費者アンケート調査では、22.5%が新型コロナの影響でインテリアなど家の中の住みやすさを重視するようになると回答。今回、こうした事業者や消費者のニーズの変化と、同社Spacely LabでのAI研究開発により同サービスの提供開始に至った。
今後は、家具だけでなく小物や家電製品などのアイテムの充実や、使い勝手や品質向上などのプロダクト改善を推進。また、不動産、住宅分野の事業者が消費者にライフスタイルの提案をしやすくすることで、消費者にとっての家探しをもっと楽しく、便利になる新たな活用方法を提案していく。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。