新建ハウジングが運営する工務店向けオンライスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、COMODO建築工房代表・飯田亮さんの「流水腐らず/飯田亮〈COMODO建築工房〉」ルームからの記事です。
設計事務所であり工務店であるCOMODO建築工房の代表をしています。「この家のおかげで今の自分がある」――建ててから30年が経過し、住まい手さんにそう言ってもらえる家を目指しています。家は暮らしを受けとめる器、住まう人を育てていく場となります。そこに余計な装飾は必要ありません。シンプルで美しく、気持ちがほっこりする居場所がいくつもある空間こそ、素の自分に戻れる場所、それが住まいという存在だと思うのです。…
皆様お疲れ様です。
COMODO建築工房代表の飯田です。
過日、毎週火曜日に行われているチカラボのオープンキャンパスに登場させていただきましたが、ご覧いただけましたでしょうか。不慣れな操作により見苦しいところもございますが、まだの方はアーカイブをご覧いただけますと幸いです(※新建ハウジング/チカラボのYoutubeページで閲覧できます。コチラからどうぞ)
良くも悪くも素のままの、等身大の自分として表現させていただきましたが、誰しもに当てはまることではございませんし、それぞれが個性として、しかしながらこんな奴もいるのだとお見知り置きしていただければ幸いです。
さて、4回目は「ブランディング」についてお話をさせていただきます。
COMODOのブランディング履歴
まず弊社の履歴として、前身である「住空間設計LIVES」の際には自分でHPを立ち上げたり、チラシを作ったりと、素人ながら奮闘しておりました。そして現在のCOMODO建築工房の立ち上げを機に、ご存知の方も多いかも知れませんが、憧れであった塚本浩史さん率いる工務店のブランディングを得意とする「アドブレイン」に託したのでした。
自身で手掛けていた経験もあってか、勘所と申しましょうか、建築を通して伝えたいこと、理想とする会社の将来像・目標など、現時点で語れるだけの想いを、お酒を酌み交わしながら語り合ったことを思い出します。ただただ想いを伝えるだけであえて、こう見せたいとか、この会社のこれを真似てとか、そのような指示は一切しておりません。私もプロの建築業に携わるものとして、まるで経験値の違う「その道のプロ」に対して口を出していいところ、ダメなところは弁えました。その代わりに人間性であったり、建築に対する情熱を理解していただくために時間を割いていただきました。
その甲斐あってか、塚本さんからご提案いただいたロゴやそのコンセプト、HP案など、一発目にてほぼほぼその方向性は確立しましたし、その後何年か依頼をさせていただきましたが、大きくズレたプロモーション案はなく、COMODOらしさ、わたくし飯田らしさを等身大で、そして身の丈で世に発信出来たのだと確信しております。現在はその期間に存分に学ばせていただき、よりCOMODO izmを発揮するため、再び自社でそれらを行っております。
資料請求を「減らす」ブランディング
現在COMODOのブランディングにおいて大切にしている点、および注意している点は「らしさ」を伝えること。
プロモーション方法によって大きくも小さくも見せることは可能となります。しかし、等身大で伝えなければ、それをあてにしていらっしゃったお客様に対して失礼極まりなく、誤解を招く結果しか及びません。それが無用な資料請求を生んでしまい、結ばれることのない面談とメールに時間を苛まれ、見学会では本当にただの見学で終わってしまう。我々は問い合わせや集客の数を競うのではなく、結ばれるお客様によって生まれる笑顔を糧にする仕事です。必要最低限で最大限の集客が出来れば結果は同じこと。どちらがよろしいですか?
ちなみに弊社の資料請求は2〜3件/月程度。見学会を行えば半数がOBの住まい手さんや同業者、その半分は見込みの方やご新規となり、数値的には自慢できるほどの数字では決してございません。しかしながら行列が出来るほどでないにせよ、1年先超の案件は常に抱えております。これが弊社の理想とするブランディングです。正直、問い合わせのない時はとうとう飽きられたか!?と焦る時もございます…苦笑。しかし建築には絶対の自信を持っておりますし、誇りを持ってやっておりますので、武士は食わねど高楊枝!的な精神でどうにか乗り切っているのが現状です。数を稼ぐのはどうにでもなるような気がしていて、そんなことはどうでもよく、お問い合わせいただいた方の中からどれだけ多くの確率でお客様になっていただくのかが本当の目的ですし、その確率が高いほど疲弊することなく建築に集中できます。
それを成し遂げられるのがブランディングの役目なのです。
等身大のブランディング
そうは言っても期待通りの、時にはそれ以上の建築と会社を発信しなければ、お客様には繋がらないと仰る方がいるのもよく分かります。しかしながら、もしうまいこと昇華したとして、その方の満足はいかほどでしょうか。以前お笑いの法則を伺ったことがあります。視聴者が次の“オチ”が予測できない展開よりも、「やっぱりな!」と落とし込んだ方が笑いは大きいと言います。ドリフなどがいい例でしょうね。「志村ぁ〜後ろぉ〜」的な笑! それと同じ心理状況が何にでも当てはまると思っていて、お客様は自分たちなりの答えをお持ちで、その答え合わせとして御社に問い合わせをされるのです。その時点で等身大とかけ離れていたらどうなってしまうでしょうか。言わずもがな、落胆により満足度は下がり、悪評があっという間に拡散する怖い世の中。あてはまる会社様も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
「自社を知り お客様を創る」
「御社の特徴をお聞かせください」この質問に明確に答えられる会社さんほど強いものはありません。強みも弱みも知った上での戦い方をご存知なのです。「COMODO★LABO」(弊社のブランディング事業)では、初面談の際に様々な宿題を用意しております。SWOT(強み・弱み・機会・脅威)に始まり、現状のお客様と今後呼び込みたいお客様の理想像のヒアリング、競合他社、将来のビジネスプランなど多岐に渡ります。これらの作業なくして自社ブランドの確立はあり得ません。お忙しいとは存じますが、是非一度時間を作って取り組んでみてください。もしフォーマットが欲しい場合は弊社に問い合わせいただければ差し上げますので、何なりとお申し付けください。
COMODO★LABOの立ち上げ
先ほど出ましたが、弊社ではこの度、「COMODO★LABO(コモド・ラボ)」というブランディング事業を開設いたしました。「工務店と建築の存在価値を 最適解で表現する 」をキーコンセプトに、「工務店の問題は 工務店で解決する」をテーマとした事業となります。私が今まで受けた恩恵を工務店業界へと寄与したい、その想いでの開設です。下記に弊社のコンセプトメイキングを紹介させていただきますので、興味がございましたらご一読くださいませ。またこれを機会に改めて自社を見直す機会となりましたらこれ幸いです。
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