新建ハウジング3月20日号の注目トップ記事では、5万組以上のインスペクションの実績を持つさくら事務所(東京都渋谷区)のホームインスペクター・田村啓さんに、住宅施工の現場の実態をお聞きしました。田村さんは、新型コロナのしわ寄せが現場に及び、さまざまなトラブルや施工ミスが多発していることを踏まえた上で、「特に引き渡しが重なる年度末は要注意」と警鐘を鳴らします。その一方で、ステイホームによりYouTubeなどを通じて情報収集に時間をかける施主の住まいに対するリテラシーは確実に向上しており、忙しさに追われて対応をおざなりにするとトラブルの要因にもなる可能性があります。
ただ、そういった施主側の厳しい視線に十分に応えられるプロの知識と技術を備えてさえいれば、在宅時間が増えて住宅の傷みに過敏になり、「わが家を見てほしい」とセカンドオピニオン的な存在を求める人たちから信頼と受注を獲得するチャンスでもあります。
5-9面では、特集「東日本大震災から10年」を企画しました。被災地の工務店さんのこれまでの10年間の取り組みとこれから目指していくことをお聞きしました。耐震、省エネ性能が高い家づくりやまちづくりなど、地域工務店の力によって真の復興めざして取り組んでいこうとする意気込みを感じます。
3面では、木の家づくりの普及を目指して全国の工務店などで構成する団体が実験によりスギ無垢材の抗ウイルス効果を検証したニュースを紹介しています。工務店が大学などの研究機関と連携することによって得た確かなエビデンスをもとに、住環境の側面からウイルス対策を促すきっかけにしていこうという取り組みです。【編集長・関卓実】
新建ハウジング編集長・関卓実
長野県出身。長野県の建設専門紙「新建新聞」の記者、編集長を務めた後、2018年より本紙編集長。
新建ハウジングとは
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。