三井不動産リアルティ(東京都千代田区)はこのほど、2015年4月1日以降に持ち家を購入し住み替えをした45歳以上(取引時点)の首都圏在住者1126人を対象に、「中高年層の住み替え等に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
住み替え理由を聞いたところ、全体では「より広い家に住みたかったため」(27.4%)との回答が最も多く、「住まいの老朽化」(15.5%)、「交通利便性が高いエリアへの住み替え」(15.1%)と続いた。住み替え時の年齢別に見ると、65歳未満の人の理由は全体と大きく変わらない一方、65歳以上の人では「自身の高齢化による、将来に対しての不安」(24.4%)が最も多く、次いで「子供や孫との同居または近居」(20.0%)、「バリアフリーの設備が整った住まいへの住み替え」(19.3%)と、自身のシニアライフをより意識した回答が上位となった。
住み替えによる物件や住環境の変化について聞いたところ、住み替え時65歳未満の人の57.1%が「より広い家」に住み替えているのに対し、65歳以上の人では50.4%が「より狭い家」に住み替えているという結果となった。
また、部屋数についても、65歳未満の人の44.2%が「部屋数が増えた」と回答しているのに対し、65歳以上の人では48.9%が「部屋数が減った」と回答した。
なお住環境については、65歳以上の人は「総合病院など大きな病院」や「商業施設」から近い立地を選んでいる人が多く、年齢を重ねるにつれ、家のサイズはコンパクトに、住環境は生活利便性の高さを重視する傾向があることがわかった。
物件購入金額の平均は4768万円。物件タイプ別に見ると、中古マンションが3951万円、中古戸建てが3628万円、新築マンションが7462万円、新築戸建てが5960万円となった。住み替え時の貯蓄額の平均は3336万円。約半数は2000万円未満という結果となった。
住み替え時に物件の資産価値(売却のしやすさ/値下がりのしにくさ)を意識したか聞いたところ、およそ3分の2の人が「資産価値を意識した」と回答した。一方で、現在の住まいを最終的にどうするか決めている人は36.7%に留まっており、より多くの選択肢を残すために資産価値を意識して住み替えている人が多いことが伺える。また、最終的に「相続」を考えている人の割合は、住み替え時65歳未満の人が18.7%なのに対し、65歳以上の人は40.7%と、約2倍の差がつく結果となった。
調査期間は1月30日~2月14日。
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