アキュラホーム(東京都新宿区)とアキュラホームグループ、同社が設立したビルダー集団・スマートアライアンスビルダーは、東日本大震災から10年を迎える3月、全国の工務店・取引業者とともに地域災害支援の取り組みを広げると発表した。
近年、地震のほか、台風や豪雨水害など自然災害が多発しており、個人や企業の防災対策だけでは不十分であることから、同社グループではさまざまな支援を展開している。災害時の停電や断水の際、展示場などの拠点が地域住民に対し電力と生活用水を提供する取り組みには、地域工務店も賛同。昨年9月の防災月間には、全国の約200拠点が防災機能を整備し、災害時でも自宅で安心な避難生活ができるようサポートする活動を開始している。
同社グループでは、地球環境保護の観点から、省エネ住宅の開発や建設、太陽光の搭載、井戸付き住宅など環境に貢献する住宅を推進しており、今回太陽光搭載・防災井戸設置のオーナーに対して地域扶助の賛同者募集を開始。住民・企業が一体となり電力や井戸水を分け合うことで、地域の災害時支援を行っていくという。
3月には取引企業からも賛同を募り、災害時支援の輪の拡大を目指す。現在、取引業者約1000社からの賛同により、災害時の地域への支援が可能となった。水や電力などの備蓄品の提供、災害時の情報の提供などを進めていく。今後は、災害時の帰宅困難者への支援として、災害時帰宅支援ステーションへの登録も予定している。
3月2日には、花坂ハウス工業(宮城県東松島市)の提案により地域間防災協定を締結。東日本大震災時に、同社グループや全国工務店ネットワークのジャーブネット会員企業が行った支援活動への恩返しとして行われたもので、災害時に地域間で物資等の提供などを自発的に行い、復旧活動に貢献するのが目的。花坂ハウス工業のほか、同じく被災した光建設(福島県本宮市)、東北エリア最大級のプレカット会社・山大(宮城県石巻市)との4者で締結したが、現在100社を超える企業がこの取り組みに賛同している。
3月13日には「災害時の被害や避難生活を最小限にする勉強会」を開催する。同社グループ、スマートアライアンスビルダー、ジャーブネットとその取引業者、全1246拠点をオンラインで結んで開催するもので、各ビルダーのオーナーや建築中の顧客、建築仕掛り現場の近隣住民、取引業者や従業員の家族親族、友人など、10万人規模の参加者が視聴する予定。「自分や家族の安全を守る方法(自助)」、「地域企業や住民相互の支援により地域で共助する方法」、「行政や国の支援、公助を利用する方法」などを発信し、安全安心な知識を提供する。
参加者を対象に、地域災害時支援の相互扶助を呼びかけ、協力してもらえる人を募集。また、新築予定で地域への非常時の電力共有に協力できる人には、太陽光発電や防災および防災に役立つ地球環境グッズをプレゼントし、地域における災害時相互扶助への貢献を推進する。
災害時の対応を行政などに任せきりにするのではなく、地域の住民と企業が一体となって共に助け合う相互扶助、互助の輪を全国へ広げていくことが、社会全体に資すると考え、これからも全国のホームビルダー(工務店)と連携し、活動を進めていくとしている。
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