日本アクア(東京都港区、中村文隆社長)はこのほど、ポリウレア樹脂を使った超速硬化防水システム『アクアハジクン®』について、住宅保証機構をはじめ国土交通大臣が指定した全ての保険法人による保証を受けられる「3条確認(※)」を取得した。
同システムについては昨年10月に国土交通大臣による飛び火認定を取得しており、木造住宅については防火無指定地域などに制限されてきたバルコニーの防水工事について、より広い範囲での新築工事が行えるようになっている。同社は飛び火認定・瑕疵担保保険の認可を弾みに、住宅の耐久性を重視する工務店向けに、「長寿命化適合技術」として自社の防水事業をアピールしていく方針だ。
防水工事により建物の長寿命化を実現するアクアハジクン®は、プライマー、ポリウレア、トップコートの3層構造。吹き付けによる施工方法で、対象の形状に関わりなく継ぎ目のない「1枚モノの防水層」を形成するため、高い防水性を発揮する。伸縮率が300%と大きいため、地震時に動いても破断しにくく、同社では「地震国日本の住宅防水の悩みを解消したい」とする。乾燥時間が短く、待ち時間なく次の工程に移ることができるため、工期の短縮が可能。長期間、強度を維持する点も特長の1つで、「一般的に10年と言われる塗膜防水の品質保証期間を15年にしている」(同社)。
断熱材のネットワーク生かしコスト抑える
アクアハジクン®で使うポリウレア樹脂は、イソシアネートとポリアミンの化学反応で生成されるウレア結合を基本に1980年代に開発されたもので、ウレタン樹脂とウレア樹脂の伸縮性、耐久性など優れた物理特性を備える。これまでコンクリート構造物などの防水・保護・崩落防止、大規模施設の屋上防水などに用いられてきたが、大量に使用される屋上防水工事などに比べ、施工面積が小さい戸建て住宅ではコストが割高になってしまうことから、普及してこなかったという。同社では、現場発泡吹き付け断熱材「アクアフォーム®」の認定施工店として提携している全国300社以上のネットワークなどを生かして、材工一体でアクアハジクン®を展開することで、「FRP防水など他の工法と変わらない程度までコストを抑える」という。
同社によると現在、ローコストビルダーなども含めて採用する企業が急増。今後は、アクアフォーム®を採用している全国約2000社を対象に、エリアごとに説明会を開き、普及を加速させる考えだ。
※3条確認…瑕疵担保履行法の基準で規定する防水性能と同等以上の防水性能を有するものと、各保険法人が認めるもの
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