新建ハウジング3月10日号の注目トップ記事では、北海道立総合研究機構・北方建築総合研究所(北総研)が防火性能を検証し、その成果を民間に提供して、断熱材メーカーや関連団体が防火構造(30分)の国土交通大臣認定を取得した「付加断熱+木板張り」の外壁について紹介しています。
最近、北海道だけでなく全国にも広がりつつある付加断熱を採用することで、建築基準法に基づく都市部の準防火地域・22条地域でも、窯業系・金属サイディングなどと同様の下地仕様で木板張りの外壁を実現できる技術です。
地域工務店にとっては、付加断熱や木板張りといった、量産型の家づくりとの差別化の要素となり得る技術を生かす幅が広がり、デザインなど独自性のある家づくりを拡充するアイテムにもなります。北総研では、メーカー・業界団体との連携により、全国で利用が広がり、地域材の利用促進や良質な街並み景観の形成にもつながってほしいと期待しています。
3面では、造園のスペシャリストが地域工務店の外構・造園の提案をバックアップするFCの加盟店がコロナ禍で増えている状況を伝えています。そこからはステイホームの暮らしで庭の充実を求める生活者ニーズに対応しようと、工務店が庭提案の強化に向けて動きを加速していることが分かります。
人気連載・松尾和也さんの「エコハウス設計メソッド」(11面)では今回、『軒ゼロを採用するリスク』について解説。軒ゼロを“耐久性4大問題”の1つに挙げる松尾さんは、「軒ゼロ住宅は雨漏り、耐久性、暑さ対策など、さまざまな面でリスクを抱えているため、できる限り避けた方がいい」と説きながら、「それでも採用する場合は、雨漏り対策、湿気対策など細心の注意を払って施工すべき」と訴えています。【編集長・関卓実】
新建ハウジング編集長・関卓実
長野県出身。長野県の建設専門紙「新建新聞」の記者、編集長を務めた後、2018年より本紙編集長。
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