日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協、東京都千代田区)はこのほど、1950年~2000年5月までに着工された2階建て以下の木造住宅(木造在来工法)の耐震性に関する調査データを発表した。診断期間は2006年4月1日~2021年2月28日。
木耐協が耐震診断を実施し、診断結果を把握している2万7929棟の住宅のうち、「倒壊する可能性が高い」住宅は74.6%、「倒壊する可能性がある」住宅は16.9%と、9割以上の住宅が現行の耐震基準を満たしていなかった。
耐震基準改定の前後では、1980年以前の旧耐震基準住宅では97.3%が、1981年~2000年5月までに建てられた新耐震基準住宅でも85.9%が現行の耐震基準を満たしていないことがわかった。
また同調査では、耐震診断依頼者の年代や診断対象物件の築年数についても調査を実施。診断依頼者の年代別の割合は、60歳以上が75%だった(平均年齢は66.14歳)。30~40代でマイホームを購入し、築年数が30年以上経過した人からの依頼が多いためだと考えられるとする。
耐震診断を実施した住宅は「旧耐震」が44.6%、「81-00住宅」が55.4%と、81-00住宅が過半数を占めた(同調査では、建築基準法の大幅な改正があった1981年と2000年の間に建てられた木造住宅を「81-00住宅」としている)。なお、1970年以前に建築された住宅(築50年以上)の診断依頼はわずか13%だった。
年齢と築年数の関係を見ると、2つは比例しており、高齢なほど築年数が古い住宅に住んでいる傾向となった。70代以上は旧耐震に住む人の割合が過半数となる一方、60代以下は81-00住宅に住む人が6割を超えた。
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