広さがゆとりにつながる
工事は予定通り12月上旬には終わり、引き渡すことができた。総工費は2250万円。追加でエアコンを購入したことなどから当初の見積もりよりわずかに増額となった。
Aさん一家が引っ越す前に同社で見学会を開催した。同社の見込み客のほか近隣住民も見学にきた。後者の中心は年輩の女性だ。以前の間取りや家の雰囲気を知っているので、間取りや内装の変化に敏感に反応する。これが新築との大きな違いだ。「おばあちゃんの家がこんなにきれいになってよかった」と参加者たちは自分のことのように喜んでいたのが印象的だった。
Aさん夫妻と子どもたちは12月中ごろから新しい家で暮らし始めた。家に入ったときに感じたのは想像以上の暖かさだ。リビングを含めたすべての空間がエアコン1台で暖かくなる。天井断熱として袋入りグラスウール200mm厚、床断熱はフェノールフォーム50mm厚、壁断熱は現場発泡ウレタン60mm厚といった断熱改修の成果が発揮されている。
暖房は同社の勧めもあり連続運転としている。朝晩で設定温度だけ変えており、日中は26℃くらい、夜は少し設定温度を下げて20℃くらいにしている。朝起きたときには20℃前後となっている。
暖かさの次に感じたのは広さだ。子どもが室内を走り回れる広さがある。キッチンや浴室もゆとりがあり、地下室や倉庫などの手付かずの空間もある。予算を考えるとこの広さは大規模リフォームでしか手に入らない。
広さのゆとりは使いやすさにもつながる。キッチンは動きやすく、作業スペースも確保できているため料理もしやすい。システムキッチンはトクラス製。シンクが広く、洗い物がしやすい点と人造大理石の天板は掃除もしやすい点、収納も十分である点を評価した。妻が何より気に入ったのが食洗機。特に乾燥機能がとても便利だという。
実はシステムキッチンに関して、妻は若干の不安を感じていた。ショールームの空間は演出過多であったため、自分の家に置かれたときの雰囲気が想像できなかったためだ。無垢の床材や造作カウンターと違和感なく馴染んでいる様子を見て、妻は素直に喜んだ。
料理をしているとき子どもたちはリビングにいてテレビゲームをしたり、YouTubeを見ていることが多い。2階の子ども部屋は今のところは使っていない。
食事は3食ともダイニングテーブルでとっている。夕食の後など、家族で寛ぐのはリビングのソファやダイニングテーブルだ。
ユニットバスは1.25坪と大きめのサイズ。これも家全体の広さに余裕があるから可能なことだ。実際に入浴してみると身体の大きな夫が子どもと一緒に入っても余裕があって使い勝手がよい。掃除もしやすいという。
Aさん夫妻には男の子どもが3人いるため洗い物が多い。洗濯は朝8時ごろと夜21時ごろの2回行う。洗濯物を干すのは主に洗面脱衣室だ。洗濯物干し金物を付け、スペースを広くしてもらったのはそのためだ。洗濯物は夕方以降に取り込む。タオルは脱衣室、衣類は各個室にしまうようにしている。
- 見学会の様子。近隣住人へのお披露目も兼ねている
- 竣工後の外観。窓はLow-Eペアガラスがはまった樹脂サッシ。外壁はアクリル系仕上げ塗り材で仕上げている。屋根は既存を生かしている
- 裏側から見ると過去の増築の様子がよく分かる。右側の切妻部分が当初の家。左側の茶色い外壁は倉庫。増築部分の地面近くに窓があり、地下があることが分かる
- 最初に建てた部分は独立基礎。建て物の基礎〜床組みが一様ではなく、床断熱に苦労した
- 独立基礎部分の床断熱の様子。床下から作業して根太間に充填した
- 外壁の汚れ防止のために窓下に水切りを取り付けている
- 竣工後の玄関の様子。広々としたつくりになっている
- LDKを見る。廊下の奥に洋室と寝室がある
- リビングからダイニングを見る。階段の裏がキッチンとなる
- ダイニングからリビングを見る。右奥の扉がトイレ
- 寝室の様子。写真の右手にウォークインクローゼットがある
- ウォークインクローゼットの内部
- 洗面脱衣室の様子。室内干しができるように広めにしている
- 1.25坪のユニットバス。3人の子どもと入浴しても余裕がある
- キッチンの様子。作業台を備えたカップボードは造作
- キッチンの脇にはデスクスペースがあり、料理の合間にスマートフォンを見たり、子どもが宿題をするのに便利
- LDKと寝室・洋室を結ぶ廊下。奥の扉の先が寝室。左側の扉の先が洋室
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