飯島瓦屋根工事(埼玉県深谷市、飯島武雄社長)は、社寺建築の耐震改修工法として土葺きの瓦屋根を「本葺き仕様一体瓦工法」にすることで、屋根の重量を7割以上削減する改修工事を進めている。
東日本大震災をきっかけに、国や地方自治体では補助事業を通じて住宅の耐震化を促している。ただし壁面開口部が多く、本堂内などに耐力壁を設けることが難しい社寺建築では耐震化の取り組みが進んでいないのが現状だ。
そこで同社では、築100年以上の土葺き工法の社寺建築に着目。下地に杉皮と大量の土を盛る土葺き工法の場合、屋根重量は189.4kg/m2にのぼり、このうち63.4%を土が占める。この屋根の重量を大幅に軽量化することで耐震性を向上することができるという。
本葺き仕様一体瓦工法では、杉皮と土の代わりに、ルーフィング材の上に瓦桟を打ち付け桟瓦を固定。また、通常の社寺建築では[本平瓦2枚+素丸1枚]から成る3枚瓦と漆喰を使って「本葺き」と呼ばれる方法で施工するが、新工法では3枚瓦を1枚の瓦で完結する「一体瓦」を採用。この一体瓦だと重量を約7割に抑えられ、施工手間の軽減と耐震性の向上につながる。
新工法による屋根の重量は52kg/m2で、従来工法より7割以上の軽量化を実現。この工法で市内にある華蔵寺の鐘楼門を葺き替えたところ、単位面積あたりの屋根重量を72.6%軽減した。
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