新建ハウジング2月28日号のトップ記事は、北海道の工務店2社が共同プロジェクトで建設した、パッシブ換気を採用したモデルハウスを取り上げました。冬の北海道でもエアコン1台で暖房を賄う快適な住環境を提案、2年間、モデルハウスとして共同運営しながら道内だけでなく全国へも展開していこうという取り組みです。
モデルハウス建設にあわせて、研究者やほかの企業の協力なども得ながら、室温や電力消費量の実測を行い、計算・シミュレーションとの誤差がないかを検証します。躯体の性能としてはHEAT20・G2レベルを前提としており、建設したモデルハウスのUA値0.26W/m2K、C値0.4cm2/m2となっています。
ステイホームの生活が長引き、在宅での働き方が浸透していく中で、より快適で健康的な居住空間に対するニーズは、さらに高まっていくと予想され、つくり手にとっては高性能な住宅を提案する好機です。実測によるデータは、施主の背中を押す材料となるでしょう。
そのほか、4・5面では、社員大工の力を今後の持続的な経営のカギととらえて、独自の若手育成に取り組む工務店事例を紹介しています。若者の確保と育成が業界全体の課題として深刻化するなか、若き社長が「大工を“汚い・きつい・危険”の3Kから“かっこいい・稼げる・革新的”の新3K職種にする!」とチャレンジしています。事業エリアの拡大や非住宅施設分野の拡充など今後、自社の経営戦略を推し進めていくために最も重要なのがハイレベルな社員大工の集団だと位置づけています。
首都圏や関西など一部都府県において緊急事態宣言が再発出された影響により、1月の全国各地の住宅展示場への来場者数が再び大きく落ち込んだことや、新型コロナに見舞われた昨年1年間の新設住宅着工戸数が81.5万戸と過去10年間で最低の水準になったといった市況に関するデータも紹介しています。【編集長・関卓実】
新建ハウジング編集長・関卓実
長野県出身。長野県の建設専門紙「新建新聞」の記者、編集長を務めた後、2018年より本紙編集長。
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