ポラス(埼玉県越谷市)はこのほど、早稲田大学との共同研究「自然との共生を実現する《Garden City型》次世代住宅地モデル開発」が、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「官民による若手研究者発掘支援事業」に採択されたと発表した。研究実施期間は2020年度~2023年度。
同研究は、早稲田大学総合研究機構 医学を基礎とするまちづくり研究所・山村崇(やまむら・しゅう)所員らの研究グループと行っているもの。両者の基礎技術を結集・統合し、都市・農村の性質が入り交じった大都市圏郊外のフリンジエリアにおいて現代的生活ニーズに応えながら、人間居住と自然との共生を実現する《Garden City型》次世代住宅地モデルを開発する。
《Garden City型》次世代住宅地とは、通常の都市型住宅や郊外型住宅に対して、ICTを活用したテレワークなど新たな就業スタイルの普及を前提に、大都市圏外縁部の空間的ゆとりを活かし、現代的居住ニーズに応えつつ自然との共生を志向する新たな住宅地の型(モデル)を提案するもの。これまで同社が手掛けた、住民とともにコミュニティー醸成を推進した分譲地等、既存の分譲地で視察検証を行ってきた。
今後は、同社の複数の分譲地開発の際に、共同研究の成果を取り入れ、モデル開発と併せて「資産価値」「健康価値」「環境価値」の3面からモデルの有効性を事前評価する。さらに、一連の開発プロセスから一般化可能な知見を抽出し、「計画技術」を構築することで、担当者の勘に頼ってきた用地選定から商品企画までのプロセスをシステム化。住宅地の企画開発期間の短縮と、「3つの評価軸」によるアセスメント手法を確立させるという。
人口減少時代の到来に伴い、住宅産業界ではライフスタイル提案型=価値提案型産業への転換とともに、環境配慮型の住宅地像を提示することが求められている。さらに新型コロナウイルスの感染拡大により、郊外住宅地の「低密・ゆとり」への住宅ニーズが高まっていることなどから、研究開発を開始。両者は、同技術開発ならびにその後の事業化への取り組みを通じ、大都市圏郊外部の無秩序な宅地化に対抗する持続的地域運営のあり方と、環境負荷低減を実現する環境配慮型の住宅地像を提示することで、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。