博報堂(東京都港区)など博報堂DYグループ4社横断の動画統合ソリューション専門集団「hakuhodo.movie(ハクホウドウ・ドット・ムービー)」は、ビデオリサーチ(東京都千代田区)の「ひと研究所」と共同で、動画視聴に関する調査を実施した。
同調査では、ネット動画視聴の購買行動プロセス(購買ファネル)への影響・効果に着目。認知から購入に至るまでの購買行動プロセスにおいて効果的な動画コミュニケーションとはどういうものなのか、視聴モード/モーメント・尺(動画の長さ)・動画要素・動画ジャンルなどの影響を分析した。
ネット動画の視聴が購買行動プロセスの各ステップに影響を及ぼしているか調べたところ、動画視聴者ベースでは、「認知きっかけ」43%、「購入意向」21%、「実購入」16%と、購買ファネルにて何らかの影響があったと答えた人は65%にのぼった。調査全数ベースでも35%が購買ファネルにて何らか影響があったと答えた。年齢や男女別では、ネット動画視聴の購買ファネルへの影響は、年齢が低いほど強く、また、男性よりも女性の方が強い傾向にあることがわかった。さらに、閲覧頻度が高いほどこの影響が強く、動画のヘビー視聴層ほど動画が購買行動に影響していることがわかった。
動画視聴動機の購買ファネルへの影響としては、好きなもの・役立つもの・知らないことへの出会いといった「生活者の嗜好を捉えた情報」や、参考・信頼といった「決断につながる情報」が視聴前に期待できる、あるいは視聴後に実感できる場合、購買ファネルへの影響が強い傾向となった。
購買ファネル全体に影響を及ぼす動画ジャンルとしては、「美容/ファッション系」や「レビュー系」が強く、「CM・広告」「企業アカウント発信の動画」でも高い効果が認められた。
購買行動プロセス(購買ファネル)のステップそれぞれに効果的な尺や動画要素を調べたところ、「認知」の段階では、尺としては6秒以下の短尺あるいは10分前後の長めのもの、要素としてはインフルエンサーや企業発信のもので高い効果が見られた。
「購入前の行動(興味、情報収集・共有など)」においては、1分前後の尺の動画が効果的。共感・自慢・トレンド・評判性が担保されている動画がファネルへ影響を及ぼしているという特徴も見られた。
「購入・利用・継続」段階においては、尺としては2分~10分台と長めのものが有効、要素としては情報の信頼性や確信性がポイントとなることがわかった。
そのほか、“情緒的な満足をもたらす”動画(ブランディングムービーなど)は、「興味や共有」の段階に加え、「購入」においても影響が見られ、企業やブランドとの中長期的な関係構築に貢献することが認められた。こういった結果から同社では、効かせたいファネルを捉えた上で良い影響をもたらす動画を配置していく、統合マーケティングコミュニケーションの視点が重要としている。
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