横浜市は、建物の環境性能を総合的に評価する「CASBEE」の届け出制度を戸建て住宅にも拡充する。任意の制度として運用し、インセンティブと組み合わせ環境性能の高い住宅の普及を促すのが狙い。制度の概要などを説明するセミナーを横浜市内の関内ホールで3月13日に開催する。
これまで横浜市では、2000m2以上の建物についてCASBEEでの評価・届け出を条例で義務付け、広告などへの評価結果の掲載を求めてきた。2012年4月1日からは、これまで対象になっていなかった2000m2未満の建物について、任意で届け出できるようにする。届け出があった建物は、横浜市のホームページで公表するほか、金融機関と連携した住宅ローンの金利優遇などのインセンティブ(誘導策)を検討している。
評価は自己診断によるもので可。評価ツールとして提供する横浜版の戸建て住宅用CASBEEは、建築環境・省エネルギー機構(IBEC)の「本家」ツールと評価内容は同じだが、横浜市が「地球温暖化対策」「長寿命化対策」「健康・安心への配慮」「まちなみ・景観への配慮」の4項目を重点項目として指定し、5段階評価で表示できるラベルのフォーマットを作った。
横浜市内では年間約1万戸の戸建て住宅が建てられているが、戸建て住宅に対する省エネ性能の引き上げのための施策が手薄だった。今回の制度により、省エネ性能の高い戸建て住宅の普及を後押ししたい考えだ。
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