LIXIL(東京都千代田区)はこのほど、持ち家に家族と同居する30~40代の既婚男女800人を対象に「家族時間の変化と住まいに関する調査」を実施し、その結果を発表した。
在宅勤務を導入している人に対し、その実施場所を聞いたところ、「自部屋」と「リビング」がともに40.3%でトップに。次いで「書斎」(15.5%)となった。
一人で過ごすスペースとして理想的と考える空間としては、「リビング」(42.3%)との回答が最も多く、「自部屋」(37.3%)、「寝室」(17.9%)と続いた。在宅勤務の有無で見ると、在宅勤務なしの人は全体と結果が変わらなかったのに対し、在宅勤務ありの人では「自部屋」(46.8%)がトップになった。
コロナ禍を受けて、今の住まいに満足しているか聞いたところ、24.2%が「満足していない」と回答した。不満の理由としては、「家事の動線がイマイチ」「1人になれるスペースがない」「収納スペースがない」など、家の間取りや設備に関する回答が挙げられた。
住まいをより良くするために検討したい方法を聞いたところ、「リフォーム」(44%)との回答が最も多かった。次いで「家具の買い替え」(31.9%)、「DIY」(19.4%)となった。
リフォームができるならばしたい場所としては「リビング」(30.5%)が最も多く、「浴室」(24.3%)、「キッチン」(22.3%)と続いた。
コロナ禍でリフォームを実施したという人は5.9%。リフォームした場所としては、特に「風呂」「トイレ」「キッチン」が多かった。リフォームについて「低価格で手軽に、工期も1日で終わるものがあるのを知っている」人は13.9%にとどまった。
防音機能がついた部屋が欲しいと思うかとの問いには、45.9%が「欲しい」と回答した。居住形態別では、戸建てに住む人では42.2%なのに対し、マンションに住む人では55.8%と過半数を超える人が「欲しい」と回答。在宅勤務の有無では、在宅勤務なしが43.1%なのに対し、在宅勤務ありが52.3%となった。現在の住まいで玄関から洗面所までの距離がどのくらいあるか聞いたところ、平均で「13.3歩」という結果だった。
コロナ禍で以前と比べて家族の時間が変化したか聞いたところ、23.5%が「家族時間が増えた」と回答。増えた時間の平均は1日あたり4.4時間となった。また、在宅勤務の有無で見ると、在宅勤務を実施している人では、32.6%が「家族時間が増えた」と回答した。
家族と一緒に食事をする回数については、新型コロナウイルス流行前と比べて、約4人に1人にあたる25.2%が「増えた」と回答した。家族で料理を作る回数については、13.9%が「増えた」と回答、掃除の回数についても、27.7%が「増えた」と回答した。どの項目についても、在宅勤務の有無で「増えた」と回答した人の割合に大きな差が見られた。家族と食事をする回数が増えたと回答した人は、在宅勤務ありが29.2%、在宅勤務なしが11.7%。家族で料理を作る回数が増えた人は、在宅勤務ありが18.9%、在宅勤務なしが7.1%。掃除の回数が増えた人は、在宅勤務ありが33.1%、在宅勤務なしが14.6%だった。
帰宅後に行うルーティーンについて聞いたところ、「食事」を1番に行うという人が42.6%から38.1%に減った一方で、「入浴」を1番目にするという人が17.8%から21.2%に増加した。
コロナ禍で増えた新しいファミリールーティン(家族での約束・習慣)については、「帰宅したら消毒」(44.8%%)との回答が最も多く、次いで「定期的な換気」(42.8%)となった。居住形態別に見ると、戸建てに住む人では1位「帰宅後の消毒」、2位「定期的な換気」、3位「週末のまとめ買い」、マンションに住む人では1位「定期的な換気」、2位「帰宅後の消毒」、3位「帰宅したらすぐ着替え・入浴」となった。新しいファミリールーティンについては、約9割が今後も続けたいと回答した。
調査時期は2020年12月。
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