国土技術政策総合研究所や建築研究所などが共同で進めている木造3階建て学校の実大火災実験の試験体が2月16日、報道関係者に公開された。実験(2月22日予定)は木造利用を促進するために、規制の緩和を狙ったもので、見学会には関係者をはじめ、木造研究者、民間事業者など700人が参加を申し込んでいる。同実験で得られた知見に基づいて、2012年度に基準化を想定した仕様による実大実験を行う予定。
国は公共建築物の木造化を進めているが、現在、建築基準法では3階建ての学校は耐火建築物とすることが義務付けられている。今回の実験では、一定の仕様などを満たす場合は準耐火建築物での建設を可能にするため、基礎的な検証を行う。
試験体は1時間準耐火構造の木造3階建ての学校で、建築面積は約830m2、延べ面積約2260m2。工法による延焼拡大や煙の動きの違いを検証するため、軸組工法とツーバイ(2×6)工法を組み合わせた仕様としている。出火階である1階内部は全面木質仕上げ。外壁は、一部を除き、窯業系サイディング仕上げ。使用木材は国内産カラマツ集成材や国内産スギ集成材など。断面は最大で750mm×220mm。
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