リノべる(東京都港区)はこのほど、東京・神奈川・埼玉・千葉に住む新成人317人を対象に、「住まいとリノベーションの意識調査」を実施した。
同調査では、1990年代中盤以降に生まれ、個性や平等性、合理性を重視し、社会課題への意識が高いと言われる「Z世代」が、住まいやリノベーションに対してどのような意識を持っているか、さまざまな角度からアンケートを行った。
将来的な住まいの意識(住宅の購入意向)を調べたところ、賃貸希望者(9.8%)の約4倍にあたる40.7%が「いつかは住宅を購入したい」と回答した。「わからない」(38.5%)と回答した人を除いた場合では、66.2%が「いつかは購入したい」を選んだこととなり、総務省が発表している全国の持ち家比率である61.2%と比較しても同等の結果となった。
住まいの選択肢として「リノベーション」を知っているかとの問いに「知っている」と回答した人は57.2%。リノベーションの認知度は一般と比較して低いことがわかった。
「知っている」と回答した人に、リノベーションでどのようなことができると思うか聞いたところ、「好みのデザインに変える」(79.3%)との回答が最も多かった。「キッチンや風呂など住宅設備を新しくする」(68.4%)、「好みの間取りに変える」(55.2%)も5割を超えており、リノベーションの特徴については多くの新成人が理解していることが判明した。なお「建て替えに比べ97%のCO2排出量削減が見込める」など、環境負荷低減につながることへの理解は24.7%に留まったが、2020年6月に同社が実施した調査で20~60歳以上の人に対して同様の設問を行った結果(9.3%)と比較すると高い数値だった。
住まい選びで重視したいこととしては、「間取り(生活導線、部屋のレイアウトなど)」(54.9%)が最多。次いで「通勤・通学の利便性」(53.3%)、「周辺の生活環境」(51.1%)、「住宅設備(キッチン、風呂、トイレなど)の機能や新しさ」(44.2%)「広さ(面積)」(43.5%)となった。同社によると、この結果はリノベーション経験者の満足度が高い項目と重なっているといい、リノベーションにより実現性の高い項目が重視されている結果となった。また、「自分好みに変えられること」(41.0%)、「できるだけコストがかからないこと」(31.5%) といったZ世代の個性重視や合理性を求める特徴が現れる項目も上位にランクインした。
「いつかは住宅を購入したい」と回答した人に対し、将来購入した住まいでどのように感じたいかを聞いたところ、「自分らしくいられる」(75.2%)と「気分転換しやすく、気持ちをリフレッシュすることができる」(72.1%)がともに7割を超え、次いで「いきいきと活動的でいられる」(65.9%)となった。同社によると、新成人が重要視する項目は、リノベーション経験者が住まいで感じているとした項目と近い傾向にあるという。
調査期間は、2020年12月17日~21日。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。