大和ハウス工業(大阪市)はオランダにおいて、工業化建築のひとつであるモジュラー建築商品の販売・レンタル事業を行うJan Snel Group(ヤンスネルグループ、以下ヤンスネル社)の持株会社Flexbuild Holding B.V.(フレックスビルドホールディング)の株式譲渡に関する契約を締結し、両社を子会社化すると発表した。
今回の株式譲渡契約はDaiwa House Europe B.V.(ダイワハウスヨーロッパ)を通じて行ったもので、これを足掛かりに欧州へ本格的に進出し、工業化建築事業を開始するとしている。
同社グループは、国内市場の環境変化に備え、海外事業への投資を継続的に行っており、2017年には米国、2018年には豪州で戸建て住宅事業を行う建設会社を子会社化。現地にて戸建て住宅事業を展開しており、欧州に進出するのは今回が初となる。
主要国の人口増加が継続する欧州では、住宅や職方の不足、建築資材価格の高騰などが課題となっており、同社の工業化住宅や高品質、短工期のノウハウを生かした住宅を供給するため、3月にダイワハウスヨーロッパを設立。今後は、同社グループが国内外で培ってきたノウハウと、ヤンスネル社の技術、販売網を生かし、欧州市場への事業拡大を図るとしている。
工場でユニットをつくって現場で組み立てるモジュラー建築は、環境規制が厳しい欧州において、低炭素化を実現する短工期や建材の再利用の観点から環境に配慮した工法として注目されている。同社は、自社工場での鉄骨ユニットの生産やリユース、太陽光発電システムの積極的な採用などを行うヤンスネル社とともに、SDGsの達成にも取り組んでいくという。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。