省エネルギーセンター(東京都港区)は12月21日、事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品・ビジネスモデルを表彰する「2020年度省エネ大賞」の受賞者を決定した。昨年度を上回る110件以上の応募があり、その中から省エネ事例部門27件、製品・ビジネスモデル部門29件を選出した。
建築分野では、製品・ビジネスモデル部門において、ホクシンハウス(長野市)の「蓄熱シート一体型屋根パネルを用いた6面輻射冷暖房型住宅」が「資源エネルギー庁長官賞」を、パナソニックの「真空断熱ガラス『Glavenir』」が「経済産業大臣賞」を受賞した。
ホクシンハウスの「蓄熱シート一体型屋根パネルを用いた6面輻射冷暖房型住宅」は、断熱材の中間に蓄熱シートを入れた「FB屋根パネル」を大学・メーカーとともに開発し、夏季の屋根面からの侵入熱量を低減。また、床下も含む確実な断熱気密施工により、高断熱・高気密性を長期にわたって保持するほか、床下に設置されたエアコンの空気を壁体内の通気層に循環させる輻射冷暖房の採用により、温度ムラが小さく快適な居住空間を実現した。平成28年省エネ基準性能の住宅と比較すると、冷暖房負荷は72%削減される。
パナソニックの「真空断熱ガラス『Glavenir』」は、同社が保有しているプラズマディスプレイ製造技術を活用し、業界最高クラスの熱貫流率0.58W/m2・Kを、約8mmというトリプルガラスの4分の1の厚さで実現したもの。ガラス間で熱橋となるピラーに低熱伝導率の高強度非金属材料を開発したほか、強化ガラスを用いることでピラーピッチを拡大し、高断熱化を可能にした。
表彰式は2021年1月27日、東京ビッグサイトで開催予定。同日午後には、長官賞以上の受賞事例の発表会を開催する。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、受賞関係者のみの参加となっている。
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