新建ハウジング毎月30日号のA4版付録「新建ハウジングプラスワン」では、「工務店経営TTP」と題する経営ベンチマーク事例を毎月4〜5社掲載していて好評をいただいています。ここでは2012年2月号に掲載した丸和住宅の事例を抜粋して紹介します。同社は栃木県南部をエリアに、売建分譲住宅を中心に年間100棟を超える受注を誇る工務店。社長・副社長のほか、営業部8人、企画設計6人、営業企画4人、現場監理8人、総務5人、リフォーム3人を含む総勢43人で、売上24億円(2011年)をあげ注目を集めています(編集部)
同社の 売上げの内訳は、建物19億円、土地5億円。経常利益は実に1億2000万円に上る。新築着工では栃木県下の地域工務店でナンバー5に入るというほど成長をとげている。
現社長の大森克則さん(35)は2代目社長。19歳で同社入社、営業部を経て、2004年に27歳で父親から社長職を引き継いだ。
だが、社長を引き継ぐ直前まで、大森社長は事業継承をすべきか迷っていたという。当時、先代社長によって住宅事業のグローバル展開が突如掲げられ、社員は方向性を見失い、会社の業績は悪化していたからだ。
「ばらばらになった会社を本当にまとめていけるのか、不安のほうが先行していた」と大森社長は当時を振り返る。「住宅が1棟も売れなくても3年は会社はもつ」との先代社長の言葉にようやく気持ちがふっきれ、社長就任を決心した。
当時の同社は分譲事業を主力としていたが、大森社長が社長就任した時点では商品体系が確立されていなかった。そこで、毎年ひとつテーマを掲げ、商品開発やイベントの企画に落とし込み実践していくことを自らの課題に課した。
初年度のテーマは「町並みの創造」。当時主流になりつつあった南欧風の外観デザインを採用したところ、建設中に完売。「それまでギクシャクしていた設計課内の雰囲気が、「街並み創造」の方向性を明確にしたことで部署内の雰囲気がスムーズになった。会社は変われると実感できた」という。
営業企画室の設立
営業企画室—。他の工務店では聞きなれない部署だが、同社にとっては目指す方向性を住まい手に分かりやすく伝え、社内的にもひ
とつの方向性に向かって連帯感を生み出すために欠かせない部署だ。部署を取り仕切るのは、営業企画室長の佐々木聡さんだ。(中略)
営業企画室が最初の大きな課題として掲げたのが「年間で3桁のアクセス数」だったホームページの大幅リニューアル。その際に出会ったのが工務店の販促支援を行うツタエル(岡田徹社長)だった。
ホームページのリニューアルは予想以上の効果をあげた。大きかったのは、ホームページの製作を通じて「そもそも何のために働くのか」までを考えられたこと。
キャッチコピーも社員全員で考えた。「社員の本音をツタエルという第三者に聞いてもらうことで、我々の会社はもっとひとつになれると確信が持てた」(佐々木さん)。
「すべてはお客様によろこんでもらうことからはじまる。それが私たち丸和住宅のプライド」。
このキャッチコピーができことで、会社の方向性が明確になっただけでなく、社員がプライドをもって日常業務に取り組むできることができるようになった。各部署でばらばらに行っていた業務がひとつの目標に向かって一体化していく感覚が得られた。
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